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1988 年度 実績報告書

腎尿細管の水・電解質代謝を調節する新しいGTP結合タンパクの生理作用

研究課題

研究課題/領域番号 63571039
研究機関京都大学

研究代表者

八浪 公夫  京都大学, 薬学部, 助手 (30191141)

研究分担者 市川 厚  京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
キーワードプロスタグランジンE / 受容体 / 腎髄質 / GTP結合蛋白質 / GTP
研究概要

研究実施計画に従い以下の研究成果を得た。
〔I〕腎髄質PGE受容体ーGTP結合蛋白質会合体の諸性質の検討:腎髄質の^3H-PGE_1(E_2)結合は、GTPrSあるいはGTPの存在下において約2〜4倍増大した(GTPrS>GTP〓GDP=ATP,ADP)。Scatchard Plot解析の結果、この結合の増大は、受容体数の増加によるものではなく、結合親和性の増大によることが判明した。腎髄質膜には、コレラ毒素(CT)および百日咳毒素(PT)によりADPリボシル化されるGTP結合蛋白質(G蛋白)が存在するが、GTPrS(GTP)によるPGE結合の増大作用はPT処理により消失するが、CT処理では変化がないことが判った。^3H-PGEが結合したPGE受容体は、6%ジギトニンで可溶化され、PT感受性G蛋白との会合体として存在することが推定された。
〔II〕PGE受容体ーGTP結合蛋白質会合体の精製:ゲル濾過クロマトグラフィーにより、可溶化^3H-PGE受容体の多くは高分子体(Mr〓38万)として分離された。この高分子体のピークには、GTPr^<35>S結合活性、GTPase活性、百日咳毒素によるADPリボシル化活性が存在し、PGE受容体とG蛋白との会合体としての存在が示唆された。この高分子会合体をWGAアフィニティーカラム、次でDEAEートヨパールによるイオン交換クロマトグラフィーを用いて分離し、濃縮後SDS非存在下でアクリルアミドゲル電気泳動を行った。その結果、GTPr^<35>S結合活性、百日咳毒素によりADPリボシル化されるG蛋白と会合している^3H-PGE受容体が得られた。本会合体は、GTPの添加により^3HーPGEの結合親和性が減少しない特徴を有していた。
〔III〕今後の研究の展開:上述の現象の生理的意義を明らかにするため、腎髄質細胞由来のMDCK株化細胞を用い、細胞内にGTPrSを注入する実験などを行ないcAMP生成反応におけるG蛋白の役割について更に検討を続ける予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 八浪公夫: Biochimica Biophysica Acta. (1989)

  • [文献書誌] 吉村聡通: Biochimica Biophysica Acta. (1989)

  • [文献書誌] 八浪公夫: 日本臨床夏季増刊. (1989)

  • [文献書誌] 八浪公夫: in Abstract of 14th International Congress of Biochemistry. 94 (1988)

  • [文献書誌] 市川厚: in Abstract of Taipei Conference on Prostaglandin and Leukotriene Research. 174 (1988)

  • [文献書誌] 市川厚: "講座プロスタグランジン 8 PGをめぐる新物質" 室田誠逸,山本尚三, 1-408 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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