研究課題/領域番号 |
63571044
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
井上 義雄 広島大学, 医学部, 助教授 (00136053)
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研究分担者 |
中村 昭四郎 広島大学, 医学部, 教授 (40013304)
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キーワード | 逆転写酵素 / レトロウイルス / エイズウイルス / キノン誘導体 / ヘテロポリオキソメタレ-ト / トリ骨髄芽球症ウイルス |
研究概要 |
抗腫瘍抗生物質ストレプトニグリンはトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)やエイズウイルス(HIV)起源の逆転写酵素の働きを抑えることを報告してきた。この抗生物質は他の前核、真核細胞の核酸合成酵素に比べて逆転写酵素に高い特異性を示すが、細胞毒性も強く抗ウイルス剤としては不適当であった。ストレプトニグリンはA、B、C、Dの4つの6員環より構成され、このうちA-B環を構成するキノリンキノン骨格が酵素阻害に必須であることから、100種類以上のキノン誘導体(オルト-、パラ-キノリンキノン、オルト-、パラ-イソキノリンキノン、オルト-、バラ-ナフトキノン)を合成し、AMV逆転写酵素阻害活性とマウスリンパ腫瘍L5178Y細胞に対する細胞毒性を比較検討した。一般にオルトキノリンキノン誘導体はパラキノリンキノン誘導体に比べて高い逆転写酵素阻害活性を示した。さらに、オルトキノリンキノン誘導体はパラキノリンキノン誘導体よりも毒性が低く、逆転写酵素に対する選択性の点で後者より優れていることが判明した。ヘテロポリオキソメタレ-トのin vitroでの抗HIV活性について検討し、K_7[PTi_2W_<10>O_<40>]・6H_2O(PM-19)などの、いわゆるケギン構造をとったヘテロポリオキソタングステ-トに高い活性を認めた。フランスのパスツ-ル研究所などで報告している同様の物質HPA-23はケギン構造をとっておらず、その抗HIV活性ははるかに低いものであった。同研究グル-プによるとHPA-23はin vivoで逆転写酵素阻害によるHIVの増殖阻害を引き起こすとされているが、一連のポリオキソメタレ-トを用いて両活性を比較検討したところ、両者の間には相関性がみられないことが判明した。ポリオキソメタレ-トはウイルスの細胞への吸着を阻害していることを新たにみいだした。
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