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1988 年度 実績報告書

蛋白質の機能向上をめざしたリゾチームの分子設計

研究課題

研究課題/領域番号 63571046
研究機関九州大学

研究代表者

井本 泰治  九州大学, 薬学部, 教授 (90038282)

キーワードニワトリリゾチーム / 遺伝子工学 / 大腸菌 / 酵母 / 変異リゾチーム / 酵素機能 / 蛋白質工学 / フォルディング
研究概要

蛋白質工学によりニワトリリゾチームの機能を向上させることを目的に今年度は以下の研究を行った。1.開発済みの大腸菌によるニワトリリゾチームの生産系を用いて、N末端にMetが付加し、さらに種々のアミノ酸残基の置換、挿入、欠失を施した変異リゾチームを生産した。すべてインクルージョンボディーとして得られたので、SS-SH交換反応により巻戻しを行ったが、巻戻り収率が低く、巻戻しの系の改良を行っている。2.N末端にMetが付加していることが、巻戻しを困難にしていることがわかったので、N末端を天然型と同一にするために、変性リゾチームの可逆的可溶化試薬を合成し、N末端にMet-Tyrが付加したリゾチームを可溶化後、カテプシンCによりMet-Tyrを切り落とす方法を開発した。今後、この方法で各種変異リゾチームを大腸菌に生産させる予定である。3.酵母の系では、N末端が正しくプロセスされた活性型リゾチームが得られるので、系の改良を行った。その結果、1Lの培養液当たり5mgのリゾチームを生産させることに成功した。現在、この系で種々の変異リゾチームを生産中である。4.pH4100℃でリゾチームに起こる高温不可逆反応を解析した。その結果、アミド側鎖の脱アミド化、Asp-X結合の解裂に加えて、Asp-Gly結合のβ反転を見いだした。従って、リゾチームを高温不可逆変性に対して安定化するためにはリゾチームに存在する3個のAsp-Gly配列を消去する必要があると結論した。5.安定性及び活性の向上したリゾチームを生産するためには、どの様な変異を導入すればよいかを天然の変異に学ぶために、菟、人、ラット、孔雀、七面鳥、あひる等のリゾチームを単離し、活性及び安定性をニワトリリゾチームからの変異の観点から比較した。得られた結果を基に、機能の向上に寄与していると考えられるアミノ酸置換を導入したリゾチームを作製中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Fujita.: Chem.Lett.543-546 (1988)

  • [文献書誌] T.Miki.: Protein Engineering.

  • [文献書誌] T.Imoto.: J.Biochem.

  • [文献書誌] Taiji Imoto.(T.E.Creighton,Editor): "Protein Function: A Practical Approach Chapter 10 Chemical Modification" IRL Press, 31 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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