研究課題/領域番号 |
63571050
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
佐藤 孝彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50082970)
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研究分担者 |
鬼頭 英明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90161512)
水野 瑞夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00082967)
小瀬 洋喜 岐阜女子短期大学, 学長 (50082954)
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キーワード | 変異原性修飾作用 / 中草薬 / 芍薬 / ベンツ(a)ピレン / フェノ-ルカルボン酸 / gallic acid / 女貞子 |
研究概要 |
芍薬中の抗変異原活性の有効成分としてこれまでにpenta galloyl glucose(PGG)とgallic acid(GA)を確認しているが、薬理学的有効成分として鎮静作用を持つことが知られているpaeoniflorinについては抗変異原活性が認められなかった。次に、PGG及びGAの抗変異原作用の発現メカニズムにつき検討した。1.ベンツ[a]ピレン(B[a]P)とGA、又はPGGとの吸着作用は認められず、2.B[a]PとS-9mixを加えたものにGAまたPGGを混合しS-9mixの代謝抑制につき検討したところ、PGGで添加量に比して代謝抑制効果を認めた。3.B[a]PをS-9mixであらかじめ代謝活性化したものにGA又はPGGを添加しインキュベ-ト後、Ames試験にかけたところ、両者とも抗変異原活性を認めた。4.DNA損傷変異菌を用いGA及びPGGのbioantimutagen作用を検討したが、いずれもその作用を認めることはできなかった。以上より、GA及びPGGはいずれもdesmutagenとして作用していることを認めた。次に、GAを母体とする植物成分のフェノ-ルカルボン酸代謝系の物質群につき抗変異原性を検討し、フェルラ酸、ピロガロ-ル、エラグ酸の他、エスキュレチン、プロトカデキュ酸などに抗変異原作用を認め、代謝過程に於ける構造の変化と抗変異原活性との間に構造活性相関があることを見いだした。次に、中草薬のなかで新たに女貞子メタノ-ル抽出物がB[a]Pに対し、濃度依存的に変異原性抑制作用をもつことを認めた。溶媒分画により得たn-ヘキサン非抽出物に強い活性を認めたので分取洋HPLGによりさらに分画した。Tachugaev反応、NMR、MASS、GCによる定性分析を行ないオレアノ-ル酸、ウルソ-ル酸を同定し、変異原性抑制作用をもつことを認めた。
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