研究課題/領域番号 |
63571076
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
野城 真理 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (80014231)
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研究分担者 |
宮崎 信次 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (10014284)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (70108223)
辻 隆之 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (00075764)
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キーワード | 高頻度人工呼吸 / ファジイ制御 / 血中炭酸ガス分圧 / 振動流 / 物質移動 / 機械振動 |
研究概要 |
前年度に製作した機械振動方式の振動流発生装置の換気性能を測定した。また、この装置を用いて、動脈血炭酸ガス分圧を一定に保つファジイ制御システムを設計し、イヌによる動物実験を行なって、動特性を同定することが容易でない高頻度人工呼吸を制御するには、ファジイ制御が有効であることを示した。 (1)ガス交換能の測定 振動流発生装置にモデル肺を接続し、その途中を大気に開放した状態で振動流を作用させ、モデル肺内の炭酸ガス濃度変化を測定した。モデル肺内の炭酸ガス濃度は時間とともに、指数関数的に減少しており、一サイクルごとに一定量のガスがモデル肺と大気の間で交換されていることが示された。550〜700rpmの範囲では、回転数が高いほどモデル肺内の圧力も高い。ガス交換能はこの圧力振幅に主として支配され、気道長や開口部の径の影響も受ける。 (2)高頻度人工呼吸のファジイ制御 ファジイ制御は,if x is A,then y is Bという制御規則をいくつか組合わせて制御を行う。xを前件部、yを後件部とよぶが、前件部変数を血中炭酸ガス分圧の設定値(40mmHg)からの偏差および偏差の変化とし、後件部変数を振動流発生装置の回転数の変化として、血中炭酸ガス分圧を一定に保つように制御規則を定めた。後件部変数の値はmin-max重心法によるファジイ推論で求めた。麻酔下の成雑犬の動脈血を約5分ごとに採血して血中炭酸ガス分圧を測定し、パソコンに入力して前記の方法で回転数を出力し、DA変換器を介して振動流発生装置に加えた。この動物実験の結果、人工的にも異常値にした血中炭酸ガス分圧を設定値に復帰させて、一定値に保つことができることが示された。ファジイ集合のメンバシップ関数の形によっては、分圧が振動的になることもあった。
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