研究課題/領域番号 |
63571081
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
平田 真理子 実験動物中央研究所, 血液化学部, 主任研究員 (70050698)
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研究分担者 |
一戸 一晃 実験動物中央研究所, 血液化学部, 専門研究員 (00223107)
鈴木 修三 実験動物中央研究所, 血液化学部, 主任研究員 (80113439)
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キーワード | ラット / コリンエステラ-ゼ活性 / 非特異的エステラ-ゼ活性 / 血液細胞中活性 / 実験的病態モデル |
研究概要 |
1.ラット血液細胞のコリンエステラ-ゼ活性(ChE)を細胞化学的および生化学的に検索し、以下の結果を得た。 (1).赤血球にはいかなるChE活性も認められなかった。 (2).白血球には、真性および偽性ChEのほか、非特異的エステラ-ゼ活性が認められた。 (3).血小板中の活性は、ほとんど全て真性ChEであると考えられた。 2.実験的病態モデルラットを作出し、ChE活性および非特異的エステラ-ゼ活性の変動意義について検索し、以下の結果を得た。 (1).エチオニン脂肪肝モデル実験:オスでは血清中真性ChEの増加がメスでは血清および肝臓中偽性ChEの減少が認められ、急性の脂肪肝におけるChE活性の変動には性差が見られた。αーnaphthyl基質エステラ-ゼ活性は、メス血清で増加しており、同基質のアイソザイム分析で新たな分画が出現したことから、本酵素はヒトと同様の臨床的意義を有する可能性が示唆され、慢性の脂肪肝モデルで検索する必要があると考えられた。 (2).フェノバルビタ-ルによる肝臓蛋白合成亢進実験:血清,肝臓および小腸内のいずれにおいても、ChEおよび非特異的エステラ-ゼ活性の変動は見られなかった。従って、比較的短期間での誘導では上昇しないと考えられた。 (3).αーnaphtylあるいはPーnitrophenylを基質とした非特異的エステラ-ゼ活性は、ChE活性に比し性差が小さく、また肝臓や小腸にも大量に含まれていることから、血清ChE活性の変動意義の検索にあたっては、本酵素も同時に検索する必要があると考えられた。
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