研究課題/領域番号 |
63571084
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
浜口 秀夫 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (00091918)
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研究分担者 |
土屋 滋 筑波大学, 社会医学系, 教授 (10013963)
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キーワード | 高コレステロール血症 / 優性遺伝 / LDLレセプター遺伝子 / 部分欠失型突然変異遺伝子 / 家族性高コレステロール血症 / アポリポタンパクB遺伝子 |
研究概要 |
病院の早発性虚血性心疾患患者の検査および地域の集団検診により検出された高コレステロール血症の個体について、家族の検査を行ない、優性遺伝性高コレステロール血症の家系を25家系集めた。これらの家系の高コレステロール血症の遺伝的原因を解明する目的で、家族のLDLレセプター遺伝子の部分欠失の有無、異常TagIバンドの有無、よびRFLPを分析した。 25家系のうち20家系の高コレステロール血症の原因は、LDLレセプターの異常と考えて矛盾がなかった。そのうち4家系はLDLレセプター遺伝子の部分欠失が原因であった。遺伝子の部分欠失領域は家系間で異なっており、少なくとも3家系の部分欠失型突然変異遺伝子は、まだ報告されていない新しいタイプのものであった。残り16家系のうち1家系から、異常TagIバンドの生じる異常LDLレセプター遺伝子が見つかった。このタイプの異常LDLレセプター遺伝子が検出されたのもはじめてである。他の15家系のうち5家系の臨床所見は軽度であり、LDLレセプター遺伝子の中等度の異常が原因である可能性が示唆された。 25家系のうち3家系で、LDLレセプター遺伝子の異常と考えると矛盾するデータが得られた。これらの家系の臨床所見は、家族性高コレステロール血症の所見と似ていたが、非定型的であり、中等度の高コレステロール血症と軽度のアキレス腱黄色腫がみられた。原因としてはアポリポタンパクB遺伝子の異常が考えられる。 25家系のうち2家系についてはLDLレセプター遺伝子の異常が原因かどうか、はっきりした結論が得られなかった。 本研究の結果は、LDLレセプター遺伝子の中等度の異常およびアポリポタンパクB遺伝子の異常の研究が重要であることを示している。
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