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1988 年度 実績報告書

覚醒剤の立体構造と薬理作用の相関

研究課題

研究課題/領域番号 63571091
研究機関東京大学

研究代表者

小野 秀樹  東京大学, 薬学部, 助教授 (00080200)

研究分担者 松本 欣三  東京大学, 薬学部, 助手 (10114654)
太田 茂  東京大学, 薬学部, 助手 (60160503)
キーワードフェニルエチルアミン / 覚醒剤 / ノミフェンシン / マジンドール / 2-アミノテトラリン / コンフォメーション / 脊髄反射
研究概要

フェニルエチルアミン(PEA)は生体内に存在する微量アミンであり,精神機能と関わりがあると考えられている。その化学構造や薬理作用は覚醒剤のものと類似している。これらの薬物は様々な薬理作用を発現するが,作用と立体構造の関係は不明である。著者らはすでに、これらの薬物は脊髄反射の系において,少量では下行性ノルアドレナリン神経の終末よりノルアドレナリンを放出させることにより、単シナプス反射(MSR)を増強し、高用量ではセロトニン受容体へ作用することによってMSRを抑制することを示している。本研究においては、ノルアドレナリン放出作用・セロトニンアゴニスト作用と立体構造との関係について実験した。PEAのフェニル基とアミノ基窒素が近い形で固定されていると考えることができるノミフェンシンおよびマジンドールは下行性神経からのノルアドレナリン放出により、MSRを増強した。さらにMSR増強作用と腺条体の〔^3H〕マジンドール結合阻害作用の間には良い相関があった。PEAのフェニル基とアミノ基窒素が遠い形で固定されている2-アミノテトラリン類はセロトニンアゴニスト作用によりMSRを抑制した。光学活性体についてはR体に活性があった。これらの結果から,PEAおよび覚醒剤のノルアドレナリン放出作用は、フェニル基とアミノ基が近い形のコンフォメーションの時に生じ、セロトニンアゴニスト作用は遠い形のコンフォメーションの時に生じることが示唆された。以上、単純な系であり定量的な実験が可能な脊髄反射を用いて得られた結果ではあるが、この解釈は運動量増加作用(脳でのノルアドレナリン放出による)および幻覚作用(脳でのセロトニン_2アゴニスト作用による)にもあてはまるものと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 伊東洋行: 薬物・精神・行動. 8. 129-130 (1988)

  • [文献書誌] Hasebe,Y: Gereal Pharmacology. (1989)

  • [文献書誌] Hasebe.Y.: J.Pharmaiobic-Dyn.(1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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