末梢好中球の血小板活性化因子合成能の指標としてのacetyltransferase活性を測定したが、同活性は再現性よくまた微量の患者検体にても検出可能となった。炎症性疾患において、tumor necrosis factor(TNF)及びinterleukin 1(IL-1)が血中に増加することがわかっているが、このうちTNFは好中球血小板活性化因子合成能を増加させることを発見した。一方、IL-1は、同活性を増加せず、同じcytokineでもTNFとIL-1は異なる性質を示すことがわかった。このTNFの作用が、臨床上どのような影響を与えるのか今後、検討する方針である。 重篤なショック状態を示す感染症患者において、TNFが産生されることにより血小板活性化因子が産生され、症状を悪化させている可能性がある。よって患者血清中のTNFおよびIL-1活性を測定しているが、現在使用中の抗体活性が弱く検出できていない。今後、より活性の高い抗体を作成する予定である。
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