研究課題/領域番号 |
63571108
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
遠藤 治郎 島根医科大学, 医学部, 教授 (20026892)
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研究分担者 |
奈良 安雄 島根医科大学, 医学部, 助手 (80116417)
並河 徹 島根医科大学, 医学部, 助手 (50180534)
石倉 浩人 島根医科大学, 医学部, 講師 (40193297)
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キーワード | イノシト-ルリン脂質代謝物 / イオン交換クロマトグラフィ / 培養細胞HL-60 |
研究概要 |
イノシト-ルリン脂質(InsP)代謝物質の動態を追求するのに適した培養細胞実験系の1つと考えたヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)を用いて、腫瘍壊死因子(TNF)と受容体の結合がInsP代謝物にどのような変化を与えるかについて検討した。 InsP代謝物の分別にはイオン交換カラムクロマトグラフィを用い溶出分画中InsP検出には,予定した高感度リン定量系の確立が未完成なため,放射活性を利用することとした。すなわち、培養細胞HL-60をmyo[^3H]inositolで標識し、TNFを添加したあとクロロホルム・メタノ-ルで水溶性分画を抽出した。イオン交換カラムクロマトグラフィでInsP代謝物を分別溶出し、それぞれの放射活性を測定した。TNF添加直後よりInsP代謝物が有意に増加することが確認され、InsP代謝回転の亢進がみられることが明らかとなった。 細胞内cyclicAMP濃度を上昇させうる物質の共存下ではTNFの生理活性が相乗的に上昇すること、TNFの高親和性受容体蛋白と考えられる膜蛋白(分子量約78kDa)を同定できたことから、TNFによるHL-60の分化誘導時にはTNFと78kDa受容体蛋白との結合を介し、細胞内情報伝達機構にInsP代謝が関与することが考えられる。
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