研究課題/領域番号 |
63571119
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
内海 滉 千葉大学, 看護学部, 教授 (60009660)
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研究分担者 |
羽賀 純 筑波大学, 文芸言語系, 教授 (10030561)
花島 具子 千葉大学, 看護学部, 助手 (30092084)
鵜沢 陽子 千葉大学, 看護学部, 助教授 (80009498)
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キーワード | 言語的看護介入 / 行動計量的言語分析 / 看護実習指導者 / 看護婦・患者関係 / 第2沈黙時間 |
研究概要 |
平成元年度の研究成果として、かねてから準備をすすめていた看護教育の場における看護学生に対する看護実習指導者の言語的影響を調べるために実際に看護学生と実習場での患者との会話を録音し、次に、看護実習指導者の患者との模範的会話を、さらに、再び、看護学生と患者との会話を録音して、前後の看護学生の会話の進行の変容を看護実習指導者の患者との会話から受けた言語的介入の影響と見倣し、これら3者の言語現象の量的変動を各角度より比較検討した。 言語速度、語い数、文章の長さ等においては、看護学生と患者との会話では実習指導者の言語的影響を受けず、それぞれ独立して会話を進行させているようであったが、なお言語速度に関しては看護学生と患者との性格が関与するものの如く、文章の長さに関しては平均値、分散などではなしに、長いものの順に並べた頻度曲線の類似において、多少の影響のあらわれるもののようで、目下さらに検討中である。 顕著なる影響がみられるのは、沈黙時間とくに第2沈黙時間である。すなわち実習指導者の言語的習慣の中でしばしばみられる沈黙は、逆に看護学生と実習患者との間にも沈黙時間の延長をもたらし、余裕をもって患者との交歓を重ねる看護学生の学習に資し、会話全体の雰囲気、心情の交流の基盤の確立にも影響を与えているものと思われた。 今回の分析においては、未だ看護者と患者との会話における言語的交流の心理的影響の調査までには到っていない。次年度、あるいは、将来の研究計画として更に歩を進める予定である。
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