研究概要 |
アルコ-ル専門病棟に入院しているアルコ-ル依存症者の子供の身体的,精神的、社会的問題とアルコ-ル専門外来で治療している患者の子供の問題を比較したところ,その発生率も重篤度も外来の方が低いことが明らかになった。アルコ-ル専門外来には精神病院の一部である専門病棟での治療に比べ,来所するのに抵抗が少ないため家庭が破綻するまえに家族が相談に来ることが多い。家族教室などを頻凹に行い、家族に対して強力に指導・援助をすれば、アルコ-ル依存症者を治療ル-トに乗せることもできるし、家族全体とくに子供の問題を予防したり、早期に解決することができた。 他方では精神保健センタ-,精神病院、保健所、福祉事務所、児童相談所などで仕事をしているワ-カ-や保健婦などと事例検討などの学習会を行なった。自主研究グル-プであるが、この会を通し、アルコ-ル依存症が家族全体の病であり、多くの職種が総合的に関与し家族全体をケ-スと考えての地域ケアが必要であるとのコンセンサスを得ることができた。この研究会が主催して回復者の集いや一般住民に対する講演会を実施したり、公的機関の研修会に助言者となって参加するなど、着実な地域ケアの歩みを始めている.
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