研究課題/領域番号 |
63571123
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
早川 国男 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60041274)
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研究分担者 |
秋元 馨 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 助手 (70212438)
西口 俊裕 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40172647)
沖島 寳洋 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80136811)
先成 英一 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60117439)
松岡 裕二 宮崎医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10094103)
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キーワード | 心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) / 小児心疾患 / 存在様式 |
研究概要 |
今年度は心房性ナトリウム利尿ペプチドの測定(ANP)において、より簡便で高感度のアッセイ系を酵素免疫測定法を用いて確立し、小児疾患におけるANPの分泌動態を検討することを目標とした。ANPの測定に関してはラジオイムノアッセイ系(RIA)が一般に用いられているが、血液の抽出操作を必要とし、施設間での測定値に差が見られる。したがってANPに対するモノクロ-ナル抗体を用い、抽出操作を必要とせず、かつ少量(30〜50μl)のサンプルで測定可能な酵素免疫測定法(EIA)の確率を目指した。 まずBALB/Cマウスを用いてα-ANPのringに対するモノクロ-ナル抗体を作製しIgG1を得た。この抗体をpolystyrene ballにコ-トした。一方α-ANPのC-terminusに対する抗体のFab'はhorseradish peroxidaseでconjugateした。アッセイにはサンプル30μlにバッファ-120μlを加え、sandwich法を用いた。策定範囲は3ng(0.1pmol)/lから1μg/lであった。within-assayおよびbetween-assayはそれぞれ7.3〜10.5%および8.9〜13.5%であった。またβ-ANP、γ-ANPとのcross-reactionはそれぞれ52%、100%であった。健康小児(7〜14歳)における血中α-ANP値は16.1+4.9ng/l(n=10)であり、RIA法による測定結果とほぼ同じであった。また小児における随意尿の尿中α-ANPは測定感度以下であった。しかしネフロ-ゼ症候群の小児では尿中ANPの測定が可能であり、これは糸球体の機能評価に有用と思われた。 一方、心不全状態では心房中でβ-ANPが増加していることを観察しており、今後α-ANPと同様にβ-ANPのEIAを確立し、各種病態での検討を進めていく予定である。
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