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1988 年度 実績報告書

高密度水素プラズマの物性の理論および計算機実験による研究

研究課題

研究課題/領域番号 63580002
研究機関東京大学

研究代表者

田中 成典  東京大学, 理学部, 助手 (80183862)

研究分担者 一丸 節夫  東京大学, 理学部, 教授 (80010734)
キーワード水素プラズマ / 相関関数 / 積分方程式 / 状態方程式 / 輸送係数 / 強結合効果 / 分極シフト / 金属-絶縁体転移
研究概要

1.多成分荷電量子系を扱う積分方程式法である修正された畳み込み近似(modified-convolution approximation,略してMCA)の方法を有限温度電子液体に適用して、スピンに依存する相関構造を解析した研究の結果を公刊した。
2.液体金属相にある水素プラズマの相関構造を、イオン-イオン相関は、hypernetted chain近似で、電子-電子および電子-イオン相関はMCA法で取り扱う積分方程式の方法(HNC/MCA法)よって解析した。とくに、金属相と絶縁体相の境界近傍の温度・密度領域の焦点をしぼって相関関数、応答関数、イオン間実効ポテンシャル、状態方程式、電気伝導度、熱伝導度の計算を行い、次のような結果を得た:
(1)絶縁体相に接近するにつれて、イオンがそのまわりに電子を強く引きつけ、電子-イオン相関が孤立水素原子の相関構造と類似してくる。
(2)(1)に伴って、電子-イオン対あたりの相関エネルギーが孤立水素原子の値に漸近する。
(3)さらに(1)、(2)に伴い、電気伝導度・熱伝導度の急激な減少が見られる。
3.水素プラズマ中に埋め込まれた不純物イオンの電子準位を輻射粒子とプラズマ粒子の間の相関をHNC/MCA法により取り扱う方法により解析した。その際、輻射粒子中の束縛電子が1個であるというモデルを採用し、束縛電子が感じるポテンシャルの原子核近傍と遠方の境界条件に留意した。イオンが電子を強く引きつける強結合効果により、各電子準位が浅くなる傾向を見い出した。
4.2と3の結果をふまえて、高密度水素系の金属-絶縁体転移を扱う理論的手法を考察中である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] S.Ogata: Phys.Rev.A. 38. 1457-1460 (1988)

  • [文献書誌] S.Ichimaru: Astrophys.J.334. L17-L20 (1988)

  • [文献書誌] S.Ogata: Phys.Rev.A. 39. 1333-1343 (1989)

  • [文献書誌] H.Iyetomi: Phys.Rev.A,to be published. 39. (1989)

  • [文献書誌] S.Ogata: Phys.Rev.Lett.,submitted.

  • [文献書誌] S.Ogata: J.Phys.Soc.Jpn. 58. 356-359 (1989)

  • [文献書誌] S.Ogata: Phys.Rev.Lett.

  • [文献書誌] K.Sato: J.Phys.Soc.Jpn. 58. (1989)

  • [文献書誌] S.Tanaka: Phys.Rev.B. 39. 1036-1051 (1989)

  • [文献書誌] A.Nakano: Phys.Rev.B. 39. (1989)

  • [文献書誌] A.Nakano: Phys.Rev.B. 39. (1989)

  • [文献書誌] A.Nakano: Phys.Lett.(1989)

  • [文献書誌] A.Nakano: Solid State Commun.

  • [文献書誌] H.Iyetomi: Phys.Rev.B. 38. 6761-6765 (1988)

  • [文献書誌] S.Ichimaru: "in"Recent Progress in Many-Body Theories"Proc.Intern.Conf.Recent Progress in Many-Body Theories" Plenum,London, 9 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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