研究概要 |
本年度行った主な研究は、次のとおりである。1.昨年度に引き続き、フラックス・ホ-ル(FH)のプラズマ閉じ込めへの影響を調べた。本年度は、各磁気面上でMercier条件をmerginalに満足する圧力分布を用いた。得られた主な結果は次の通りである。(a)フラックス コンサ-バ-(FC)の外部コイルに流す電流Ipを大きくして、FHが出来なくすると安定性は急激に悪くなる。反対に、Ipが小さくてFHが出来ると安定性は格段に良くなる。(したがって,FHが存在すると中心導体がある場合と区別できないとする大阪大学の実験結果は理解できる。(b)βmaxは大きくても6%程度である。 2.実験で観測されるトロイダル磁場とポロイダル磁場に関する結果を整理すると、実験値と理論値の間には僅かな違いが存在する。この差の原因の一つは、プラズマの対称軸の回りの回転である。ドラム形FCについて、Maschke Perrinの方法を用いたClemente Farengoと同じ方法でこの影響を計算した。その結果、上記実験と理論の差は定性的には説明できることが分かった。また、回転速度としては不純物イオンの回転と考えれば良いことも分かった。来年度は、回転楕円体形FCの場合の計算を予定している。 3.実験室で作られるプラズマの電気抵抗は零でなく、そのために磁場拡散が存在する。したがって、磁場配位保持時間を延ばすためには、外部からの電流駆動が必要である。フラックス・コア・スヘェロマックもその一つの方法である。大阪大学で使われているFCの場合で、プラズマが圧力分布を持つときのフラックス・コア・スフェロマックの安定性を調べた。 4.高周波を用いて電流駆動を行うとき、中、小型装置では高速粒子の空間的な損失が重要になる。この損失の電流駆動率への影響を調べた。
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