研究課題/領域番号 |
63580010
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
東辻 浩夫 岡山大学, 工学部, 教授 (40011671)
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研究分担者 |
福山 淳 岡山大学, 工学部, 助教授 (60116499)
古谷 洋一郎 岡山大学, 工学部, 教授 (70108124)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 高温高密度プラズマ / イオン混合物 / 輸送係数 / プラズマの界面 / 電子状態 |
研究概要 |
慣性核融合の主な課題は、爆縮の効率を高めることである。燃料を爆縮する過程で、標的は中程度の結合度をもつプラズマとなるから、このようなプラズマについて、諸種の物性を明らかにすることが必要である。また、標的には、プッシャ-やタンパ-として、かなりの量の重イオンが用いられる。これらの重イオンが燃料と混合しない段階では、標的プラズマの中に、重イオンから成る強結合プラズマと燃料プラズマとの異面が存在することになる。あるいは、重イオンが燃料プラズマに混合してしまうと、イオン混合物が得られ、混合物の物性、特に輻射輸送を含む輸送係数は、成分のうち主に電荷数の大きなイオンが決定することになる。上のような点を考慮して、この研究では、次の問題に関する理論およびシミュレ-ションによる解析を行った。 1.中・強結合状態にある一様なプラズマ、特にイオン混合物の諸物性 2.強結合プラズマの界面 3.プラズマ中の重イオンの内部(電子)状態。 1について、イオン混合物の輸送係数を決定する上で、一つの主要な因子である電荷揺動スペクトラムについての内挿式、その長波長極限の振舞いの統一的な表現、制動放射過程の確率に対するイオン間相関の効果などが結果として得られた。2については、軸対称な閉じ込めの場合の界面の構造について、シミュレ-ションを行うとともに、得られた構造を理論的に再現できることを示した。また3については、統計模型によるポテンシャルを初期値として用いて、量子力学的な解析を行い、殻構造をもつ電子分布を得た。 個々の問題について残された点も多いが、今後の課題として最も重要なのは、これらの結果を実際の爆縮に即した大規模なシミュレ-ションに採り入れ、標的構造、ビ-ムの形を最適化することである。
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