本研究では、対象を通信ソフトウェアに絞り、我々の過去5年間の成果および知識ベースに基づいた新しい方法論を用いて、知識型の自動形成システムについて研究し、その技術を開発することを目的とする。まず、通信ソフトウェアの要求仕様記述から検証、論理設計、プログラミング、試験まで円滑に一貫して開発するための知識型開発支援システムを構成する。次に、このシステムを用いて国際標準であるOSIプロトコルの設計により実証実験を繰り返し、通信ソフトウェアの知識型自動形成システムを開発する。 63年度では、知識型自動形成システムの核となる次の2項目に重点を置き諸研究を推進した。 (1)知的な開発支援システムの構成 プロトコルと通信ソフトウェアのライフサイクルに注目し、プロトコルの仕様記述からプログラミング、試験まで円滑に開発するために、知的なヒューマンインタフェースを持つ知識型開発支援システムを構成した。 (2)(1)の構成要素の開発 これまで我々が開発したプロトコルと通信ソフトウェア向きの、(a)仕様記述言語NESDELおよび国際標準言語LOTOS、ESTELLE、(b)高級プログラミング言語IDL、(c)検証法EXPAをもとに、(1)を実現する上で核となる以下の構成要素〓、〓と〓を設計した。〓(a)の知識型エディタ、〓(a)と(b)および(a)と(c)間、さらに(a)内の言語間の変換アルゴリズム、〓(a)からテストシナリオの生成アルゴリズム。
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