1.エンジニアリングワークステーションAS3050M(東芝)を購入し、これを我々の研究室で開発した二進木結合並列計算機Coral68Kと接続した。この結果Coral68Kで画像の処理ができるようになった。また従来Coral68Kのよりホスト計算機で行っていた並列プログラムの開発をAS3050Mのより優れたプログラム開発環境を利用して行うことができるようになり、研究が促進される効果があった。 2.Coral68Kの葉に当たる32台のプロセッサ要素に画像を分散して入力する方式を考察し、これを実現するためにビデオカメラから取り出した画像信号を2値画像としてプロセッサ要素のメモリにかき込むための回路を試作したが、まだ実験は完了していない。画像の代わりに音声波形を入力するための回路も試作して実験を行っている。 3.同一の文字図形を各プロセッサ要素に送って各プロセッサ要素が独立にパターン照合を行った結果を相互に通信することによって手書き文字認識を高速に行う方式を考察し、簡単な実験を開始した。 4.Hopfieldモデルによるニューロコンピューティングを二進木計算機で並列処理するための方式を検討し、配置問題について実験した。その結果並列処理の効果は不十分であり、このモデルでは並列処理の効果は期待できないことが明らかになった。今後はBoltzmannマシンなど他のモデルについて並列処理の研究を行う予定である。 なお、この実験に使用するために連立微分方程式の二進木計算機向き並列処理方式を開発した。
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