研究概要 |
本年度は,大規模な連想処理システムの構成法,ホップフィ-ルドモデルの利用,画像情報の情報圧縮に関して以下の成果を得た。 1.大規模な連想処理システムの構成に関する研究成果 連想形記憶を用いた大規模な画像の類似性判定システムを構成するための方法を提案した。この方法は,異なった時間・異なった場所で個別に構成された小規模なシステムを複数個統合して大規模なシステムを構成するもので,この方法が実際に有効に機能することを確かめている。 2.ニュ-ラルネットを用いた画像情報の類似性評価に関する研究成果 フィ-ドバック型のニュ-ロン回路であるホップフィ-ルドモデルでは、記憶画像を回路のエネルギ-最小安定点とするように回路定数を決めることで,入力画像に最も類似した記憶画像を出力することができる。ここでは,この利用に関して以下の成果を得た。 (1)エネルギ-関数の標準形を提案した。この標準形を用いれば,ニュ-ロン回路の結合係数により与えられる行列(結合行列)の固有値から回路のエネルギ-最小安定点についての性質が容易に導かれる。 (2)エネルギ-関数における制約条件を制御することで,解の収束速度および収束点の妥当性を向上させる方法を求めた。 (3)エネルギ-関数の概略形状(凹凸方向)から,適切な初期値を設定する方向を導いた。 3.画像情報の情報圧縮に関する研究成果 連想形記憶に与える画像情報の情報圧縮に関して新しい方法を提案した。提案の方法は,先ず多値ディザ法を用いて原画像から中間的な画像に情報圧縮し,更にこの画像に対してPA法(Popularity Algorithm)を用いて情報圧縮を行うもので,大幅な情報圧縮を行っても高品質の画像を再生できるという特徴をもつ。
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