大連理工大学と共同で研究を行ない、日本側では中国語から日本語への翻訳システムの検討を行なった。研究成果の概要は、 1.翻訳システムの基本的な問題を検討するために、限定された分野で忠実、高速で、かつ小型機に適した翻訳システムFILTSを英日翻訳用に開発した。 2.FILTSを使って韓国語から日本語への翻訳を試みた。特に格助詞の多義選択の問題を解決した。 3.中国語日本語間の翻訳システムの検討を行なった。(1)中国語の語法についての整理を行い、構文解析用のル-ルを作った。(2)中日翻訳の基本システム構築した。まず第一段階として、英日翻訳FILTSを基にして小規模な翻訳システムをパソコン上に作成し予備実験を行なった。使用言語はPASCALである。中国漢字の入力には、中国語ワ-プロNiHao-FPをフロントエンドプロセッサとして使い、日本語漢字と中国漢字が同一環境で使用できるようにした。翻訳実験は「初歩の中国語(金丸著、昇龍堂)」より、約150文について行なった。この実験により構文規則等の妥当性を確かめるとともに、本格的なシステムを構築するのに必要な情報の収集を行なった。(3)“The Handbook of Artificial Ingelligence"の第4章を中国人共同研究者の協力により中国語に訳して専門分野の翻訳を行なうためのテキストを作成した。 当初の計画であった意味情報を取入れた解析法の開発と、専門分野の技術文献を翻訳するシステムの構築については平成2年度に行なう予定である。
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