研究概要 |
今年度初頭において,純系作出過程にあったカタユーレイボヤは,自家交配が第6代目,兄弟交配が第8代目に達していたが,今年度の本科研費の配分決定が遅れ,11月に交付が決定されたため,それまでの期間予算不足のため,飼育規模の縮小を余儀なくされた。実際には,バックアップ用の系統を省く事によって対応した。11月の交付決定後,少しずつ,バックアップ系統の回復をはかっている。現在,自家交配の系統で最も進んだものは,第8代目(但し,その途中で,自家交配による受精率低下のため,一回,兄妹交配を行っている)まで達したが,兄妹交配系は第8代で断絶した。純系に近づくにつれて,しだいに,受精率,成長速度,変動率等が低下してきており,維持が,ますますむずかしくなってきている。岡山大学牛窓臨海実験所から得た瀬戸内海産カタユーレイボヤ近交系と交配したものは,現在,第3代目まで進行している。人工魚礁の設置による,野生における多様な形質をもったカタユーレイボヤの選択は,現在,実施中である。以上のとおり,純系の作出は,予定より,やや遅れてはいるが,ほぼ順調に進行している。
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