ガス中蒸発法において必然的に生ずる対流を用い、その温度分布を利用して、二段ボ-ト法によって、下の石英ボ-トから蒸発したイオウの蒸気と上のボ-トから蒸発した金属蒸気との反応によって、硫化物超微粒子が生成する。この申請書を出す予定を計画したときに、予備実験を行い、Mo_3S_4やPbsを例として、JJAP Letter26巻(1987)1973-1975に掲載した。研究補助金の助成にともなって、種々の金属硫化物を作製し、その構造、形態、成長に関する総括的な結果をJounal of Crystal Growth(1989)に論文として報告した。新たに三段ボ-ト法を考え出し、II-VI化合物超微粒子が、IIおよびVI属元素の蒸気圧を同じにすることによって、生成できることを示し、その結果を第9回結晶成長国際会議1989年8月20日〜25日(仙台)で報告した。この結果はJournal of Crystal Growthに掲載の運びとなって、現在印刷中である。この三段ボ-ト法については日本結晶成長学会誌(1989)Vo1.16 No3and4、第9回結晶成長国際会議特集号 p298〜294に図入りで紹介された。今回開発した方法を用い、二つの煙を合流させて、Coalescence growth(結合成長)を用いて化合物を作ることを試み宇宙物理学的に興味ある物質が低温で合成できることを示し、物理学会、結晶学会、太陽系と感量に関する研究会で報告した。その結果コントロ-ルして粒子を作ることの重要性と新たな学問分野への発展の可能性が見い出されつつある。この研究補助金での研究成果が基礎にして、さらに発展させる方向が多々出現してきた。
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