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1990 年度 実績報告書

溶剤染色における溶媒効果のパラメ-タ-化に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63580049
研究機関茨城大学

研究代表者

吉田 紘子  茨城大学, 教育学部, 助教授 (80007533)

キーワード溶媒効果 / 溶媒パラメ-タ- / ソルバトクロミズム / 包接 / 可容化
研究概要

本研究は溶剤染色系に使用されている有機溶媒、あるいはその混合溶媒中における染料の状態や染料と溶媒との相互作用について、溶媒の極性や水素結合性の指標となる複数のパラメ-タ-を用いて整理することを目的とした。混合溶媒系の溶媒効果について検討する中で、アゾニアベタイン色素は周囲の極性、水素結合相互作用の変化により顕著なソルバトクロミズムを示した。このため、この色素を使用して染色系において重要な役割をしている界面活性剤などの分子集合系やシクロデキストリンなど、水中において疎水場をつくり、溶媒中とは異なる環境を形成している系についてスペクトル的に検討した。
シクロデキストリンとしては環径の異なるαー、βー、γーシクロデキストリンを使用した。アゾニアベタイン色素A(oーOH)はoー位にあるOH基による立体障害のためいずれのシクロデキストリンにも包接されなかった。色素B(pーOH)、C(MeーPーOH)の解離体はαー、βー、γーシクロデキストリンいずれにも包接され、吸収スペクトルは20ー30nm長波長移動した。色素B,Cの未解離体はβー、γーシクロデキストリンのみに包接され、スペクトルは5〜10nm長波長移動した。スペクトル解析の結果からシクロデキストリン低濃度範囲では(1:1)型の包接体を、高濃度範囲ではさらに別種の包接体を形成していると判断した。(1:1)型の包接体の構造は色素のフェノ-ル部分のみが包接されていると推定した。
アニオン、カチオン、非イオン界面活性剤ミセルに色素A,B,Cともに解離体が可溶化されて吸収スペクトルは長波長側に移動するが、移動幅はそれぞれ30,50,55nmと比較的小さい。これはアニオン活性剤はミセルの外層付近において錯体が形成され、カチオン、ノニオン活性剤の場合はミセル内部に水が含まれているためとスペクトル解析結果から推定した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉田 紘子: "アゾニアベタイン色素のシクロデキストリンによる包接" 茨城大学教育学部紀要(自然科学). 39号. 241-253 (1990)

  • [文献書誌] 吉田 紘子: "界面活性剤によるアゾニアベタイン色素の可化" 茨城大学教育学部紀要(自然科学). 39号. 235-270 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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