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1988 年度 実績報告書

調理過程における旨味調味料の挙動と量味特性との関係

研究課題

研究課題/領域番号 63580057
研究機関奈良女子大学

研究代表者

的場 輝佳  奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (10027196)

キーワード旨味 / 調味料 / イノシン酸 / グアニン酸 / IMP / GMP
研究概要

核酸系旨味調味料(イノシン酸、IMP;グアニル酸、GMP)は、グルタミン酸ナトリウムと共に、料理のみならず加工食品の味つけに広く利用されている。本旨味物質は、食品加工や調理における過熱過程で分解を受け風味に大きな影響を及ぼす。本年度では、IMP、GMPの加熱分解機構を、反応速度論的な立場から、以下の様に明らかにした。IMP、GMPをそれそれph4.0、100℃で加熱したところ、両者は一次反応に従って分解した。それぞれの分解生成物は、IMPからはイノシンとヒポキサンチンが、GMPからは、グアノシンとグアニンであった。このことは、両者の分解反応は、リン酸エステルの加水分解とグルコシド結合(N-C結合)の開裂であることを示している。次に、IMPとGMPに対する反応速度定数および活性化エネルギーを測定した。その結果、反応速度定数はpH、温度により大きな影響を受け、両者ともpHが低いほど、温度が高いほど分解が促進された。反応速度定数から計算した100℃における半減期は、IMPの場合、8.7時間(pH4.0)、13.1時間(pH7.0)46.2時間(pH9.0)で、GMPの場合は、6,4時間(pH4.0)、8.2時間(pH7.0)、38.5時間(pH9.0)であった。IMP、GMPの活性化エネルギーは、いずれのphの加熱分解に対しても同じであった。さらに、種々のリン酸エステル化合物(リーボス5′リン酸、Oーホスホリルエタノールアミン、B-グリセロリン酸)の加熱分解に対する反応速度定数および活性化エネルギーはIMP、GMPとほとんど同じ結果であった。以上の結果から、IMP、GMPの加熱過程で起こる主要な分解反応は、ヌクレオチド中のリン酸エステル結合の加水分解であると結論することができる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Matoba、M.Kuchiba、M.Kimura、K.Hasegawa: Journal of Food Science. 53. 1156-1159 (1988)

  • [文献書誌] M.Kuchiba、C.Kiriyama、M.Sumiyama、T.Matoba、K.Hasegawa: Journal of Home Economics of Japan.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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