研究課題/領域番号 |
63580062
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
水野 弘之 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (70117977)
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研究分担者 |
上野 勝代 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (90046508)
菊沢 康子 兵庫教育大学, 生活健康系, 助教授 (80033702)
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キーワード | 寝たきり老人 / 住宅改造 / 住居改善 / 生活の空間的範囲 / 空間的範囲の狭まり / 自立生活の維持 |
研究概要 |
1.病院通院患者(高令者)に対してヒアリングを行ない、(1)体の弱まりの進行状況、(2)それに伴い、トイレ・入浴・外出などの生活行為の空間的範囲の狭まり方、(3)生活動作に困難を感じる場所とその内部ーなどを把握した。 2.上記のうち、放置しておけば寝たきりになると予想される数例を抽出し、福祉関係者・作業療法士・大工職人などとチームを組んで自宅を訪問し、生活状況を見せてもらい(ビデオカメラで撮影)、動作解析も実施して、寝たきりになるのを防ぐために、どのように住居改善をすべきか検討した。改善内容については、第1に本人の意向を尊重し、家族の要望をつけ加え、上記のチームに本人・家族を含めて協議を行ない、合意のえられたものから段階的に実施した。 3.住居改善後も数ケ月経過してから自宅を訪問し、その後の生活状況についてヒアリングし、生活行為の様子をビデオ撮影し、改善効果をチェックした。 4.以上を通じて判明したことは、次のとおり。 (1)住宅改造の評価は、住宅のどこをどう改造したかという事だけによって行うのではなく、改造によって自立生活がどれくらい維持されたのか、改造の前後で生活内容がどう改善されたのか、生活空間の狭まりをどのように防いだのか、などによって行った方がよいと考えられる。 (2)住宅改造によって生活内容が改善された事例について分析すると、成功の要因は、住宅改造だけではなく、それを実現せしめ諸条件(生活のしかた、人間的条件)も大いに寄与していると推定される。 (3)住宅改造は一回ですべて終るのではなく、改造後も部分的手直しが必要であり、体の弱まりの進行に合せた改造も必要になる(すなわち、アフタケアが不可欠である)。
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