1.今年度は、ギャザースカートを対象として、布の物性値を入力することによりシルエットの輪郭形状を描くプログラムについて、以下の方法により検討した。(1)試料布として、厚さや質量のさまざまに異なる19種の綿布を用い、9A2サイズの同一パターンによるギャザースカートを製作した。(2)スカートを9A2のスカートボディに着装させ、前方、45度斜め前方および側方より、定位置に固定したカメラにより写真撮影を行った。(3)写真観察を基に、シルエットの輪郭形状を、写真上の5部位の寸法より、直線、円孤などの組合わせで表現する方法を検討した。(4)各試料布の剛軟度、厚さ、質量を測定し、これらの測定値と写真上の5部位寸法値相互間の相関係数を求め、剛軟度としては45度カンチレバ法によるヨコ布方向の測定値が5部位寸法測定値と最も相関性が大きく、厚さ、質量はそれぞれ5部位寸法測定値と比較的大きい相関性をもつことを確認した。(5)5部位測定値のそれぞれについて、ヨコ布の45度のカンチレバ法による剛軟度、厚さならびに質量を変数として、重回帰式を求めた。(6)重回帰式をコンピュータ・プログラムに組込み、布地についての上記3測定値を入力することにより、その布を用いてできると期待されるギャザースカートのシルエット輪郭形状を、ディスプレイ上に描くプログラムを作成した。 2.次年度は、(1)布の種類を綿以外の素材にも拡大し、ギャザースカートについての式の適合性を一そう高める。(2)式の適合性を一そう高めるような布の物性値の種類の選定と、その測定法について検討する。(3)フレヤースカートについても検討する。
|