研究課題/領域番号 |
63580077
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研究機関 | 国立公衆衛生院 |
研究代表者 |
栃原 裕 国立公衆衛生院, 生理衛生学部, 室長 (50095907)
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研究分担者 |
吉田 敬一 実践女子大学, 家政学部, 教授 (20053738)
長田 泰公 国立公衆衛生院, 院長 (90077157)
大中 忠勝 国立公衆衛生院, 生理衛生学部, 主任研究官 (20112716)
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キーワード | 耐暑性 / 発汗量 / 児童 / 冷房 |
研究概要 |
まず、児童の耐暑性の測定法を検討した。すなわち、一般には、耐暑性の測定では、気温30℃、相対湿度70%の人工気候室内に30分間椅座安静の後に、60分間の下腿温浴(42℃)を行わせることが多い。しかしながら、予備実験の結果、温浴60分間は、児童にとって負担が大きいことが分かり、30分間に短縮した。また、安全を第1に考えて、恒温水槽には漏電防止仕様のヒータを使用した。 耐暑性の判定のために、以下の生理機能の測定を実施した。 1.発汗量、(1)全身発汗量:実験前後の体重測定により求めた、(2)局所発汗量(背中) 〈1〉 ろ紙法により10分毎に測定し、炎光計により汗中のNa濃度を測定した、 〈2〉 換気カプセル法(N_2、500ml/分)にて、局所発汗量および発汗発現時間を求めた、 2.体温、(1)直腸温:肛門内8cmでサーミスタ温度計により測定した、(2)皮膚温:前額、上腕、手背、側腹、大腿、下腿、足背の皮膚温を1分毎に測定した。 3.心拍数:胸部誘導心電図により連続測定した、 4.血圧:Riva-Rocci型血圧計により10分毎に、左上腕で測定した。 本年度は、予備実験の他に、7名の小学2年生の児童(男子3名、女子4名)を対象として、8月下旬の夏の暑さに適応した状態で、耐暑性のテストを実施した。人数が少ないので、乳幼児期の冷房の影響を論じることは出来なかった。来年は被検者数を増し(児童20名程度)、同時に青年についても同様な実験を行い、以下の点について検討する。 1.児童の耐暑性を、青年の結果と比較検討し、幼年期の特徴を明らかにする。 2.幼年期の耐暑性の性差を明らかにする。 3.冷房の使用状況等に関するアンケートや室内温度の実測から、幼年期における日常的な夏季のクーラー使用の耐暑性への影響を調べる。
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