研究概要 |
1.被検者は、トレッドミル走と実験手順に慣れさせた健康な男子大学生5名と女子大学生4名の計9名であり、安静時の心拍数、最高と最低血圧、PRPの平均値は、それぞれ65.6±7.0拍/分、121.3±8.9mmHgと68.0±10.4mmHg、7966±1095であった。 2.三種類の速度(120,150,180m/分)における、五種類の歩数条件(自由歩数、±10%、±20%)による走運動中の歩数、酸素摂取量、酸素摂取水準、心拍数、最高と最低血圧、PRP、RPEの9名の平均値の変動はそれぞれつぎのとおりであった。 3.-(1)120m/分の場合:133.1〜199.8歩/分、25.8〜35.3ml/kg・分、49.7〜67.7%V^^・o_<2max>、128.8〜159.8拍/分、150.1〜179.0mmHgと62.9〜72.9mmHg、19285〜28542、全身RPE9.3〜12.1、局所RPE9.9〜13.0、中枢RPE8.8〜11.0であった。 3.-(2)150m/分の場合:137.3〜206.0歩/分、31.5〜40.9ml/kg・分、60.8〜78.7%V^^・o_<2max>、148.1〜177.6拍/分、165.3〜184.6mmHgと67.6〜76.9mmHg、24905〜32826、全身RPE10.0〜13.1、局所RPE10.3〜13.1、中枢RPE9.7〜12.9であった。 3.-(3)180m/分の場合:141.5〜210.7歩/分、37.9〜46.8ml/kg・分、73.0〜90.1%V^^・o_<2max>、165.0〜187.0拍/分、177.7〜187.8mmHgと63.8〜72.2mmHg、29395〜35120、全身RPE11.9〜15.8、局所RPE12.1〜15.5、中枢RPE11.9〜16.0であった。 4.三種類の速度のいずれについても自由歩数と自由歩数に対して歩数を変化させたことによる以上の測定項目の変動の割合は、歩数を増加(+10%と+20%)させた場合よりも、減少(-10%と-20%)させた場合のほうが大きかった。 5.9名の値を平均した全体的な傾向は以上のごとくであるが、被検者によっては歩数変化による影響が顕著な者とそうでない者とがいた。このような個人差および単位距離あたりの酸素摂取量からみた走効率、換気当量、PRP/V^^・o_2といった、他の測定項目の変動の詳細については検討中である。
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