1.被検者は、トレッドミル走と実験手順に習熟させた健康な男子大学生5名であった。安静時の心拍数、収縮期(最高)血圧と拡張期(最低)血圧およびPRP×10^2値は、それぞれ63.1±5.8拍/分、122.3±9.1mmHgと68.7±8.1mmHgおよび76.98±7.9×10^2であり、循環器系に異常がないと判断された。 2.運動負荷は、被検者の有酸素性体力水準を考慮して、定常状態が成立する速度(150あるいは170m/分)として30分間走行させた。歩数条件は、自由な歩数と自由な歩数に対して±10%の三種類とした。 3.測定項目は、酸素摂取量、心拍数、収縮期血圧と拡張期血圧、PRP値および主観的強度(RPE)であり、それぞれ走行開始後4〜5分、9〜10分、14〜15分、19〜20分、24〜25分および29〜30分の六回測定した。血圧は右上腕部にて、昭和63年度に購入した運動負荷用血圧監視装置(日本コ-リン:STBP-680)と、平成元年度に購入したその専用プリンタ-(日本コ-リン:P-680)を用いて測定記録を行った。4-(1)。自由な歩数条件と±10歩数条件での場合、各測定項目の値には歩数条件の違いによる差は認められなかった。30分間の走運動中のRPEと心拍数は、時間経過に伴い漸増したが酸素摂取量、収縮期血圧と拡張期血圧およびPRP値は定常状態を示していた。4-(2)、-10%歩数条件での場合は、すべての測定項目の値は自由な歩数条件と±10%歩数条件での場合よりも高い値となった。30分間の走運動中のRPEと心拍数は、時間経過に伴い漸増したが酸素摂取量、収縮期血圧と拡張期血圧およびPRP値は定常状態を示していた。
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