研究課題/領域番号 |
63580092
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮村 実晴 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40019576)
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研究分担者 |
大桑 哲男 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80115675)
石田 浩司 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助手 (50193321)
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キーワード | 身体パフォーマンス / 炭酸ガス吸入 / 最大酸素摂取量 / 血中乳酸 |
研究概要 |
筋中に乳酸が蓄積したときには作業能力は低下するが、アシドーシスの場合には解糖による乳酸生成が抑制されることは明らかにされている。そこで本研究では、激しい運動直前に炭酸ガスを吸入させることによる呼吸性アシドーシスが、身体パフォーマンス(運動成績)、最大酸素摂取量および血中乳酸濃度にどのような影響を及ぼすかについて明らかにしようとした。 健康な成人男子大学生16名を対象に、4.5〜6.0CO_2あるいは室内空気を吸入させ、5〜8分で疲労困憊に至るようなトレッドミル最大運動を行なわせた。その結果、運動後の血中乳酸濃度は、CO_2吸入時の方が室内空気吸入のそれと比べ低い傾向であったが、トレッドミル持久走時間や最大酸素摂取量には有意の差は認められなかった。さらに、9名の大学陸上競技部に所属する男子短距離選手を対象に、200m疾走直前に8.0%CO_2あるいは外気を吸入させ、200mの記録と疾走後の血中乳酸濃度を測定した。その結果、疾走後の血中乳酸濃度は、CO_2吸入の方が外気吸入のそれと比べ有意に低かった。しかし、200mの記録には有意の差は認められなかった。以上の結果から、少なくとも本実験のような短時間の最大運動直前のCO_2吸入は、運動中の乳酸生成と抑制するが、身体パフォーマンスを増大させる手だてにはならないことが示唆された。
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