本研究の最終年度としてまとめを行なうために、アモロス、ロンドという二人の同時代の著者、ならびにデムニ-という19世紀末の著者の計3著書にしぼってそのデ-タの校正を念入りに繰り返した後、運動記述の理論的特性を導びき出すために必要な検索の方法として、ファイル比較を効率的に実行できるコンピュ-タプログラムを追加することにより下記の研究成果を挙げることができた。 1、ファイル比較のために比較すべき単語数を減らすように比較のためのファイル作成の段階で約380語の除外語を設定、その妥当性を検討し、これにより高頻度語のうち不用語を特定し、ファイル量を減じた。 2、予備実験としてあらかじめ(a)学術的語彙、(b)体育理論の語彙、(c)その他社会的価値観をともなう語彙の3グル-プ82種の語彙についてそれぞれ3著者の比較を行なった結果、語彙頻度の比較だけでも3著書に相異があることを確認した。(詳細は、本研究の報告書参販) 3、3著書のセンテンス数と異語数を比較すると、センテンス数に対する異語数の割合はロンド、デムニ-の2著において約260%でありアモロスにおいて94%弱を示す。全語数に対する異語数の割合でもロンド24%、デムニ-27%に対してアモロス11%となり、アモロスの著書に特異性が見られた。(詳細は、本研究の報告書参照) 4、2著書間の語彙の共有関係と排除関係では、共有関係は3〜4000語でほゞ一定しているのに対して排除関係ではアモロス・ロンド・デムニ-の順となった。 5、3著書間の語彙の共有関係を明らかにし、そのデ-タを一覧表として印刷した。(詳細は、本研究の報告書参照)
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