研究課題/領域番号 |
63580097
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡部 和彦 広島大学, 教育学部福山分校, 助教授 (20057699)
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研究分担者 |
麿井 祥夫 広島大学, 総合科学部, 助手 (10116543)
草間 益良夫 広島大学, 教育学部福山分校, 講師 (50153284)
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キーワード | 人体移動装置 / 高齢者の体力 / 姿勢制御 / 補償動作 |
研究概要 |
本年度は、人体移動装置の動力部分を、これまでの圧縮空気ではなく、油圧式に改良した。これによって、水平外乱条件を与える際の移動刺激条件の精度をあげることができた。すなわち、刺激の立ち上がり部分がシャープになり、移動刺激に伴う反射性の筋放電の発現の生理学意義をよりたしかなものとすることができた。 さらに、従来の各関節の変化をエレクトロブニオメーターによって検出し、姿勢の乱れの量をもとめる方法にかわって、キスラー社製フオースプレートを用いて、身体重心の移動量と移動経過とを検出できるようになった。 本年度は、試作改良装置の検討を加え、次のような実験を行ない、成果を得た。被検者は、成人の値として、本学学生5名を用い、前頸骨筋、三角筋(左右)の筋電図を検出し、台移動にともなう、筋放電の活動潜時をもとめた。移動距離を、5、10、15cmと三種類の条件について、距離に対する構えの有無の反応をしらべた。この値に対して、50才以上の高齢者5名について、同様の実験を行った。台の移動を行なう前の筋感覚、移動距離の記憶が、次の移動刺激および身構におよぼす影響について検討している。高齢者において、筋電図の発現潜時に関しては差が認められなかったが、成人(学生)との差としては、移動中の姿勢補償および、移動終了直後における勢補償様式にあるようである。個人の特性によるものか、加齢に伴なうものか、更に例数を増やして検討する。 今後は、高齢者の「転倒」の発現に関連づけても、姿勢制御能の特性を追求したい。
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