研究課題/領域番号 |
63580100
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研究機関 | 広島県立大学 |
研究代表者 |
吉川 和利 広島県立大学, 経営学部, 教授 (00112277)
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研究分担者 |
安田 稔 広島県立大学, 経営学部, 助手 (10230228)
斎藤 篤司 九州大学健康科学センター, 助手 (90195975)
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キーワード | 重回帰分析 / 情報量基準 / 生活形態因子 / 体力・運動機能 / 歯科機能 |
研究概要 |
本研究は現代人の抱える健康科学的・体力学的な問題に焦点をあて、また老化の定義については「年齢の当核標準値によりも低減・増昇を示している状態」とする。本年度は3カ年の研究計画のうちの最終年度に相当し、そのため主たる課題は研究成果報告書の作成であった。 個別単独課題としては1).歯科機能の老化度と2、3の生理指標の関連を明らかにすることであった。この課題については平均年齢約73歳の高齢者を対象に(1).歯科医による種々の歯科機能側定、(2).体力系研究者による体力・身体機能の側定を実施した。この結果、歯の動揺度は全身の平衡維持機能(バランス能)と関連が深く、従来いわれてきた静的筋力(握力等)との関連は高くないことを見出した。一般に小学生や中学生を対象にした場合、スポ-ツ適性と歯の咬合状態、特に咬合力との関連が深いことが示唆されているが、高齢者を対象としたこの種の情報は限定されている。姿勢保持能力は体性伸経系のほか骨格筋・骨格骨の解剖学・運動学的な構造と機能によって規定されており、必然的に歯槽骨の状態とも関連していることが、推察できる。いずれにしても今後、多数の標本によるデ-タを吟味し、この点を確認いていく必要がある。 この他にスタンツ系運動の成就度にもとづき、これらが医学的指標・体力学的指標とどのように関連するかも検討しているが、この研究成果に関しては今後、順次刊行を計画している。 研究成果報告書では『序論』で老化研究の系譜、特に老化学説・老化数理モデルについて概観し、また加齢現象の一般的知見を整理した。『方法論』では研究対象(Biomarken of Aging)の選択・デ-タ収集・解析法について論じた。本論に該当する領域では従来、刊行してきた著書・雑誌掲載論文をとりいれて情告書として刊行した。
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