研究概要 |
動物下肢筋のギブス固定による委縮に関する報告はCooper(猫)、Tomaneck(guineapig)、Appel(mouse)等により張力の変化、生化学的変動、筋微細構造の変化等多方面に亘る報告が行われている、私どもはRatを用い、後肢筋のギブス固定後の変化を、筋及び毛細血管の形態的変化を中心に検索を行い、併せて運動負荷による修復経過を調べた。 基礎資料を得るため14週齢の雄性wister系Ratを用い、左右後肢筋(EDL,Soleus)の筋線維数、筋線維断面積、C/F CK値を求めた。筋線維数はEDL,Sol共に左右差はみられなかった。 14週齢の発育期のRatの右後肢に2w,4w間のギブス固定を行い、左後肢は対象とした。ギブス除去後各群を安静群、運動群にわけ、4w及び8w間、1日1時間の水泳運動を負荷し、回復と併せて結果を比較した。 筋湿重量は固定筋で明らかに減少し、4w固定直後で約80%安静群で90%、水泳負荷群で95%を示し、固定期間の2倍の負荷期間でも完全に回復してい筋断面積も有意に減少を示し、Solでは期間に応じ減少を示し2wで35.5um,4wで33.1umであったがEDLでは逆に代償性肥大とも思われる所見を呈した。又間質組識は明らかに増加が認められた。C/F比はヒラメ筋よりEDLに減少がみられたが有意性はみられなかった。筋の損傷度を代表するといわれる血清CK値は固定直後264、安静群210、運動群で595であった、毛細血管の内皮細胞には菲薄化が認められた。筋線維は固定筋においてグリコーゲンの増加、ミトコンドリアの凝集、筋フィラメントの粗〓化、配列異常、筋細胞の壊死(フィラメントの消失と微細線維の充満)がみられた。 ギブスの重量は25〜30gであるがRatにとってはかなりのストレスになると思われ、その問体重の増加は抑制され、固定直後には副腎の肥大が認められた
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