研究概要 |
63,64年度は雄性Ratを用いて比較的短期間2W,4Wのギブス固定を行い,対象足との比較検討(長肢伸筋とヒラメ筋について筋線維数,筋断面積,C/F比等)を行い,同時にギブス除去後に水泳を負荷することでその回復が早められるのを認めた。本年度は雌性Ratを用いて同様の実験を行い,各頃目を検討し,その雌雄差を検討すると同時に水泳を負荷したRatにギブス固定を行った時の、脱トレともいうべき変化を検討した。 発育期の雄性Ratにギブス固定を実施すると、片足のみに装着(約20g)してもRatにとってはかなりのストレスとなり,発育曲線は低下し,摘出筋の混重量も明らかに減少が認められた。そして筋線維直径の減少C/F比の減少がみられた。4w固定を実施した筋線維には染色性の低下がみられ,筋線維の直径は減少すると同時に所々に筋線維の消失に伴なう欠落部が認められた。しかしこの欠落部と思われる周囲には毛細血営の残存が多くあった。電顕レベルの観察においてはミトコンドリアの膨大,グリコ-ゲン顆粒の増加,筋原線維の減少と配列異常が認められた。老令雄性Ratにおいても発育期と同様の変化がみられたのであるが,EDLにおいては対象筋より肥大がみられた。Solでは固定筋に著しい萎縮がみられた。電顕像においても筋原線維の配列異常および減少がみられた。 発育期の雌性Ratにおいては雄性Ratと比較し、その萎縮は顕著であり,電顕レベルの異常も大であった。 固定後水泳を負荷した筋において,固定期間と同一期間の負荷では混重量には明らかな差がみられ,回復は明確でなかった。しかし2倍の期間水泳を負荷したものは、混重量においてほゞ差のない程度に回復していた。また同期間安静位を維持したものでは回復がみられなかった。電顕レベルで水泳負荷群では筋原線維の配列異常は認められなかった。
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