研究課題/領域番号 |
63580116
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
荒木 恵子 新潟大学, 脳研究所, 助手 (70018604)
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研究分担者 |
佐武 明 新潟大学, 脳研究所, 教授 (70018589)
渡辺 洋子 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助手 (80018853)
阿部 幸子 新潟大学, 脳研究所, 助手 (60018603)
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キーワード | フオスフオノグリコスフィンゴリピド / ピルビン酸結合ガラクトース / 化学構造 / アメフラシ神経組織 / 神経束 |
研究概要 |
海産軟体動物アメフラシの神経線維に特異的に存在する酸性糖脂質フオスフオノグリコスフィンゴリピドの神経生物学的機能の解明を目的として、今年度はFGL-IIbに焦点を絞り、構造解析とその神経組織内分布を明らかにすべく研究を行った。 1.新潟大学臨海実験所(佐渡)でアメフラシを採取し、神経組織を分離後、Falch等の方法により全脂質の抽出を行い、イヤトロビーズカラムクロマトグラフィーにより、FGL-IIbを単離精製した。 2.比色定性定量分析、アミノ酸アナライザー分析、GLC分析によりFGL-IIbは2-AEP、N-アセチルガラクトサミン、燐、グラクトース、グルコース、フコース各1モルから成り、他に未知糖が含まれていた。この未知糖はピルビン酸がガラクトースのO^^ー-3、O^^ー-4に結合したものであり、動物のスフィンゴ糖脂質の構成々分としては初めての存在を示すものであった。 3.メチル化分析・FAB-MSINMR分析によりその全化学構造は次の様に決定された。 4.FGL-IIbに対して作製した。抗体を用い、酸素抗体法によりその神経組織内分布を調べた結果、末梢神経、結合神経の神経束が極めて特異的に染まった。抗FGL-IIb抗体はピルビン酸のカルボキシル基をエピトープとして認識し、又この抗体はFGL-IIa、V、9、Iとも反応したので、これ等の糖脂質も非還元末端にpywvylated galactoseを有している事が充分考えられる。
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