研究課題/領域番号 |
63580119
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 京都大学, 薬学部, 助手 (60154449)
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研究分担者 |
山科 郁男 京都大学, 薬学部, 名誉教授 (70025675)
船越 育雄 京都大学, 薬学部, 助手 (10025702)
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キーワード | プロテオグリカン / グリコサミノグリカン / コンドロイチン硫酸 / ヘパリン / ヘパラン硫酸 / 硫酸化 / 硫酸基転移酵素 |
研究概要 |
共通の糖ータンパク質橋渡し構造上に合成される各種の硫酸化グリコサミノグリカンがどのようなメカニズムで仕分け合成されるかを解明する目的で、各種のプロテオグリカンの糖ータンパク質橋渡し構造の構造研究とグリコサミノグリカンの硫酸化を触媒する硫酸基転移酵素の活性調節機構の研究を行い、以下の諸点を明らかにすることができた。 1.コンドロイチン4硫酸プロテオグリカンで最近見出した糖ータンパク質の結合部位の硫酸化構造を、コンドロイチン6硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンなどのグリコサミノグリカンを結合したプロテオグリカンについても検索してきた。コンドロイチン6硫酸からは既に結合部位由来で、硫酸化やリン酸化の様式の異る約10種類にも及ぶオリゴ糖を均一にまで精製し、現在^1HーNMRで完全一次構造の解析中である。 同様に、ヘパラン硫酸とヘパリンからも糖ータンパク質の結合部位を単離しているが、現在、組成分析を行っており、これも^1HーNMRで構造解析の予定である。 2.既に、数万倍にまで精製したコンドロイチン6硫酸基転移酵素とケラタン硫酸硫酸基転移酵素の活性調節機構を研究し、細胞増殖に関与しているポリアミンやprotooncogeneであるc-Ki-ras2由来のC末端ペプチドで活性化させることを見い出した。 3.ヘパラン硫酸の橋渡し構造の研究の過程でEngelbreth-Holm-Swarmマウス肉腫組織よりヘパラン硫酸と共存するコンドロイチン硫酸を調製し、従来、癌組織には見出されたことのないコンドロイチンポリ硫酸E構造を見い出すことができた。 次年度は、既に精製した糖ペプチドやオリゴ糖の構造決定と、未精製画分の純化、新しく見出した構造を合成する各種の酵素の検索と精製を行い、活性調節機構等の性質を調べる予定である。
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