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1988 年度 実績報告書

ムコ多糖とアミロイドP成分の協同作用による生理活性の発現

研究課題

研究課題/領域番号 63580126
研究機関北里大学

研究代表者

浜崎 秀明  北里大学, 医学部, 助教授 (00050526)

キーワードアミロイド / アミロイドーシス / ムコ多糖 / グリコサミノグリカン / デキストラン硫酸 / カルシウムイオン
研究概要

組織におけるアミロイドの形成・沈着の原因としてこれまで最も重視されていたのはアミロイド細繊維の前駆体蛋白質が血中に増加することであり、従ってそれぞれのアミロイドーシスについて前駆体蛋白質の分析が盛んに行われた。しかし、最近の研究は細繊維前駆体蛋白質の増加以外の因子がアミロイドの形成・沈着に必要であることを示している。アミロイドP成分が全てのアミロイドに少量成分として必ず存在し、カルシウムキレート剤でアミロイドP成分を取り除くとアミロイド細繊維が溶解することが実証され、P成分の重要性が指摘されている。
63年度までの研究で我々はアミロイドP成分とヘパラン硫酸との特異的な結合を明らかにし、その結合定数を測定した。またヘパラン硫酸とアミロイドP成分との結合がカルシウムイオンの上昇と共に強くなることを発見した。これらの結果をもとに、「アミロイドP成分が各種のアミロイドに沈着しているのはその中のヘパラン硫酸に結合するためである。」という仮説を提出した。この仮説はアミロイドP成分は細繊維のβ構造に結合するとする従来の通説と対立するが、アミロイドにヘパラン硫酸が存在すること、実験アミロイドーシス組織中にアミロイド細繊維とヘパラン硫酸とが同時に出現すること、またカルシウムの沈着がアミロイド組織に認められること等、重要な事実と一致する。そこでこの仮説に基づいて、アミロイドP成分の溶解因子としての作用を種々のグリコサミノグリカンや硫酸化多糖について検討した。その結果、ヘパリンと高分子量デキストラン硫酸に強いアミロイドP成分の溶解作用があることが明らかとなった。来年度以降の研究課題としては、マウスを用いて実験アミロイドーシスをつくり、これに対する高分子デキストラン硫酸の治癒および予防効果を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hideaki Hamazaki: Biochem.Biophys.Res.Commun.150. 212-218 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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