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1988 年度 実績報告書

ヒト免疫グロブリンG糖鎖の加齢に伴う構造変化とその生理的意義

研究課題

研究課題/領域番号 63580129
研究機関藤田学園保健衛生大学

研究代表者

水落 次男  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90133149)

研究分担者 浜子 二治  藤田学園衛生技術短期大学, 助手 (80180933)
松井 太衛  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手 (90183946)
キーワード免疫グロブリン / 糖鎖構造 / 加齢変化
研究概要

1.健常人血清由来免疫グロブリンG(IgG)の調製
健常人血清10才代4例、20才代14例、30才代16例、40才代16例、50才代14例、60才代14例、70才代2例の合計80例を得て、それぞれより常法に従ってlgGを精製した。また、得られた80種類の血清由来lgG標品の純度は、それぞれSDS-PAGE及び免疫化学的手法により、高純度であることが確認された。
2.糖鎖の遊離、単離精製及び構造解析
精製した80種類のlgG標品をそれぞれヒドラジン分解にかけてアスパラギン結合糖鎖を定量的に遊離後、NaB^3H_4で還元してトリチウム標識少糖を得た。得られた各lgG標品由来少糖を高圧濾紙電気泳動、Bio-Gel P-4 (-400mesh)カラムクロマトグラフィ、RCA120-HPLC各種グリコシダーゼによる逐次分解分析等にかけてその糖鎖構造を調べた。その結果、調べた80種のIgG標品では中性糖鎖が主成分であり、シアル酸を1〜2分子含む酸性糖鎖も少量存在すること、脱シアル化糖鎖は±Ga13 1-4GlcNAcβ1-2Manα1-6(±GlcNAcβ1-4)(±Galβ1-4GlcNAcβ 1-2Manα1-3)Manβ1-4GlcNAcβ1-4(±Fucα1-6)GlcNAcで示される16種類の構造を有していることを明らかにできた。そこで、各IgG標品におけるこれらの糖鎖の含有率を種々の統計処理にかけて、各種IgG糖鎖の年齢との相関関係をしらべた。その結果、加齢に伴ってヒトIgGでは、ガラクトースを2分子含む糖鎖が減少するとともにガラクトースの無い糖鎖が増加するが、ガラクトースを1分子含む糖鎖は変化しないことが判明した。また、この加齢に伴うIgG糖鎖の構造変化現象は、20才代から30才代の間および40才代以降で特に著しいことが判明した。本現象は、加齢に伴う体液性免疫能の低下や抗IgG抗体(リウマチ因子)の出現との関連を予想させる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Tsuguo Mizuochi.: Biochem.J.254. 599-603 (1988)

  • [文献書誌] Tsuguo Mizuochi.: Biomed.Chromatogr.2. 260-270 (1988)

  • [文献書誌] M.S.Stoll.: Biochem.J.256. 661-664 (1988)

  • [文献書誌] I.J.Rosenstein.: The Lancet. Dec.10. 1327-1330 (1988)

  • [文献書誌] Takehiko Kawano.: Arch.Biochem.Biophys.267. 787-796 (1988)

  • [文献書誌] Tsuguo Mizuochi.: Biochem.J.(1989)

  • [文献書誌] 水落次男: "新基礎生化学実験法 第4巻" 丸善, (1989)

  • [文献書誌] Tsuguo Mizuochi.: " "Carbohydrate moiety of immunoglobulin in rheumatoid arthritis"in EXCERPTA MEDICA" Elsevier Science Publishers B.V., (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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