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1988 年度 実績報告書

モノクローナル抗体ライブラリーによる神経細胞表面抗原分子の構造と機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63580135
研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

黒田 洋一郎  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究室, 副参 (30073084)

研究分担者 小林 和夫  (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究室, 主任研究員 (80100139)
キーワードモノクローナル抗体 / PC-12細胞 / 細胞外マトリックス / 海馬ニューロン / ガングリオシド
研究概要

1.PC-12細胞そのものを抗原として細胞表面分子に対するモノクローナル抗体ライブラリーを得て、そのいくつかのモノクローナル抗体について、その性質を検討した。
2.神経成長因子(NGF)で分化させたPC-12細胞を用いた抗体群では、培養ラット海馬ニューロンを認識するモノクローナル抗体がいくつか得られた。また別のモノクローナル抗体は、培養海馬細胞の細胞外マトリックス(ECM)を認識した。
3.ECMを認識すると考えられるモノクローナル抗体を更に解析したところ、
(1)抗原はwestern blot法により分子量約27Kdの蛋白分子の一部であること
(2)この抗原はラットの海馬、大脳皮質、嗅脳などに分布すること、などが判明した。
4.一方、脂溶性画分を抗原にしたELISA法により、ガングリオシドなど脂溶性画分に含まれるエピトープを認識するモノクローナル抗体群が得られた。これらのモノクローナル抗体の1つは、フコースを含む新しいタイプのガレグリオシド成分と反応することがわかり、新しい分子の発見につながった。
5.この抗原の構造をさらに詳細に明らかにするために、PC-12細胞を特殊なラット体内で増殖させ、大きくなった腫瘍を材料に、多量の抗原を精製し、マススペクトルや2次元WMRで解析した。その構造はGal(α1-3)Gal(α1-4)Gal(β1-4)Gle(β1-1^1)Cevのglobosyl残基をもつことが決定された。
6.これらのモノクローナル抗体ライブラリーを用いて、培養ラット海馬シナプス形成系におけるシナプス形成阻害のスクリーニングを行ない、いくつかのモノクローナル抗体がシナプス形成を阻害することが判明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Muramoto,K.,;Kobayashi,K,;Nakanishi,S.,;Matsuda,Y,;Kuroda,Y.: PROCEEDINGS OF THE JAPAN ACADEMY. 64. 319-322 (1988)

  • [文献書誌] Kuroda,Y.: Neurochemistry International. (1988)

  • [文献書誌] 黒田洋一郎、小林和夫、村元和世、小倉明彦、工藤佳久: 神経化学. 27. 114-115 (1988)

  • [文献書誌] 黒田洋一郎: Dementia. 2. 179-185 (1988)

  • [文献書誌] Ariga,T.,;Yu,R.K.,;Scarsdale,J.N.,;Suzuki,M.,;Kuroda,Y.,;Kitagawa,H.,;Miyatake,T.: Biochemistry. 27. 5335-5340 (1988)

  • [文献書誌] 有賀敏夫、小林和夫、黒田洋一郎、宮武正: 神経化学. 27. 384-385 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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