1.作年度測定した^<42>Kの磁気テ-プ上のデ-タを解析し、1.52MeVγ線放出率を計算した所、0.1808±0.0009を得た。これは従来の結果と較べ2倍近い不確かさの改善がみられ、^<42>Kのミルキング装置が開発されたことと共に、将来の応用の可能性を広げるものである。 2.昨年度測定した^<152>Euの磁気テ-プ上のデ-タを解析し、γ線検出効率決定のために崩壊率を測定した。^<152>Euはβ^-崩壊と電子捕獲崩壊を行い、内部転換電子を多数放出するため、崩壊率決定は困難であったが2次元効率外挿法を適用し、精度良く決定することを可能とした。 3.昨年度の反省より、相対効率24%のHPGe検出器を用いる検出系に改善し、線源検出器間距離を大きくしても高い検出効率が得られ、カスケ-ドサム効果を多少なりとも減少させることができた。 4.低エネルギ-領域におけるγ線検出効率の決定のために、^<133>Baがよく使用される。NaI(Tl)検出器を用いる4πβ-γ同時計数法では、設定するゲ-トによって^<133>Baの崩壊率が多少異なる。原因としては、多数の53KeV遷移の内部転換電子が考えられ、2次元効率外挿法を適用した所、γ線の5つの組み合わせで良好な結果が得られた。 5.^<86>Rbは約90%が直接基底状態へ遷移し、残りの10%弱が励起状態を通って1077KeVγ線を放出して基底状態へ移る。このγ線の放出率を決定するためには、β分岐を測定するか、崩壊率とγ線強度を測定する方法しかなく、精度の良い結果は得られなかった。今回の測定で1077KeVγ線放出率は0.0888±0.0003と決定できた。 6.^<103>Ruは40KeV準安定状態(56分)を有し、内部転換電子を多数放出する。この準安定状態と基底状態のどちらべβ遷移が存在するか問題であったが、今回の497KeVγ線放出率の測定結果は、基底状態へのみβ遷移が存在することを示している。
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