研究課題/領域番号 |
63580184
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斎藤 功 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (90006586)
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研究分担者 |
佐々木 博 筑波大学, 地球科学系, 教授 (70062817)
山本 正三 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10015513)
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キーワード | 花卉の山上げ栽培 / 野菜の山上げ栽培 / 主産地形成 / 生態的適応 / 農家の規模拡大 / 水稲の委託栽培、株冷技術 / 電照栽培 / 林野利用の競合 |
研究概要 |
花卉・野菜の山上げ栽培は、平地の園芸農家がシクラメンなどの花卉類およびイチゴなどの野菜類を早期に霜にあわせて花芽分化を促進するため、高冷地であるブナ帯環境で育苗し、価格のよいクリスマスや正月に出荷する栽培技術である。この山上げ栽培は、農業労働力投入の平均化・経営規模の拡大につながっていたので、本研究では上記の研究課題の解明を目的とした。 研究代表者は、東日本の最大の花卉産地である鴻巣市において次の点を明らかにした。(1)花卉栽培は野菜苗の振り売りの延長としてパンジーから始まった。(2)先進地での見取り学習を通じハボタン、アザレア、シクラメンなど栽培品種が多様化した。(3)山上げ栽培の実施により花卉の早期出荷・品質向上・農家の規模拡大が計られた。なお、山上げ栽培地は栃木県の戦場ヶ原開拓、鶏頂山開拓を中心とし、長野県の軽井沢、小淵沢、県内の秩父などブナ帯の高冷地であり、品種はシクラメン、カニシャボテン、ポリアンサス等である。(4)農家の花卉栽培への専門化・主産地形成に伴って水稲の委託栽培が広範に行なわれるようになった。すなわち、花卉栽培をやめた3軒の農家によって花卉栽培農家の水田が耕作されるので、花卉栽培はますます専門化・高級化へ進むことができた。以上のように次年度継続調査を実施すれば、投稿論文も可能となる見込みである。 研究分担者の山本は、静岡県韮山のイチゴの富士山麓への山上げ栽培と主産地形成を調査した。山上げ栽培地は富士山麓の防火帯、忍野村および川口湖町である。ここでは山上げ栽培とともにイチゴの株冷技術電照栽培が主産地形成の重要な要因となっている。 研究分担者の佐々木は、主産地を支える農家の就業構造と、山上げ地である林野の利用競合という面を花卉・野菜の生態的適応に加えて調査。
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