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1989 年度 実績報告書

タバコモザイクウイルスの増殖過程におけるウイルス-宿主間相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 63580201
研究機関東京大学

研究代表者

飯 哲夫  東京大学, 理学部, 助手 (40157813)

研究分担者 渡辺 雄一郎  東京大学, 理学部, 助手 (60183125)
岡田 吉美  帝京大学, 理工学部, 教授 (30011703)
キーワードタバコモザイクウイルス / Tm-2遺伝子 / 抵抗性反応 / 試験官内転写系 / 細胞間移行 / 塩基配列決定
研究概要

Tm-2遺伝子を持つトマトでも増殖可能となったトマト系タバコモザイクウイルス(TMV)Ltb1株の解析を行なった。
1.Ltb1とその親株であるLの30Kタンパクとコ-トタンパクの遺伝子を含む領域の塩基配列を決定し、比較した。その結果、30Kタンパクに2ヶ所のアミノ酸置換が見出された。それらは、Cys(68)→PheとGlu(133)→Lysである。
2.試験官内転写系を用いて、上記の変異を野性型ウイルスに導入した。両変異とも導入されたウイルス(B1及びB7)は、LTb1と同じ性質を示した。一方、前者の変異のみが導入されたウイルス(B3)は、Tm-2遺伝子を持つトマトでも増殖可能であったが、増殖量は、B1やB7に比べて著しく低かった。また、後者の変異のみを持つウイルス(B4)は、Tm-2トマトにおいて極めて少量しか増殖できなかったが、その量は野性株に比べれば、明らかに多かった。以上から、Tm-2抵抗性を克服するには、30Kタンパクの2ヶ所の変異ともに重要であることが明らかとなった。
3.独立に得られた変異株C32とその親株CH3についても調べた。その結果、やはり30Kタンパクに2ヶ所のアミノ酸置換が見出された。それらは、Glu(52)→LysとGlu(133)→Lysである。
4.30KタンパクはTMVの細胞間の移行に関与することが明らかとなっている。
また、Ltb1及びC32に見出された変異は、どちらの場合も、30Kタンパクのよく保存されている領域内に起こっており、30Kタンパクの機能とTm-2抵抗性の間の密接な関係を示唆する。Tm-2抵抗性について研究を進めることにより、TMVの細胞間の移行のメカニズムを解明する糸口が見出せると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Meshi: "Mutations in the tobacco mosaic virus 30-kD protein gene overcome Tm-2 resistance in tomato." Plant Cell. 1. 515-522 (1989)

  • [文献書誌] T.Saito: "Mutational analysis of the coat protein gene of tobacco mosaic virus in relation to hypersensitive response in tobacco plants with the N′ gene." Virology. 173. 11-20 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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