研究概要 |
1.DNAオリゴマー(CCTTAAGG)を合成し,そのラマンスペクトル,NMRスペクトル(DQF・COSY・NOESY)の測定を行い,骨格構造およびプロトン間の距離を求め,それらのデータをもとに,制限付き分子動力学計算を行った。その結果,このDNA二重らせんは,TAのステップで主溝側に曲っている事が判った。 2.DNAの曲りとゲル電気泳動の相関の理論的考察から,任意の配列の易動度を計算できる一般的方法を開発した。 3.曲ったDNAに結合するタンパク質であるOmpRを大量精製し,そのNMRスペクトルを測定した。OmpRのフラグメント,ミュータントのNMRスペクトルと比較する事および光CIDNP法により,一部His,Tyrの帰属を行った。化学修飾により一部Met,Tyrの帰属を行った。 4.OmpRのDNA結合ドメインを同定し大量発現系を作成した。更に,フットプリンティング等から結合機能は保持されている事を確認した。このDNA結合ドメインの二次元NMRスペクトルの測定を行ない,少なくともこのドメインに関する構造決定が可能な一連の実験を現在進行中である。
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