報告者は'86年度以来延べ14ヶ月間、JICAから派遣されて、タイ国のスラタニ、ペブリ、パナコ-ン教員養成大学で理科教育を指導してマイクロコンピュ-タ-のセミナ-を開き、タイ国の料理教育制度並びに教員養成制度の調査の上に立って日本の教育大学との協力関係を探究してきた。この研究の目的は、このように収集してきた情報や文献を整理し、まとめ、日タイ理科教育国際協力の確立に貢献することである。今年度の具体的進展は以下の通りであった。 A 「教員資質向上計画」関係: 同「計画」の評価調査のため、永井愛教大教授の派遣を推進し実現した。 B 理科教育関係: 収集してきた関係資料の生理と邦訳をした。特に、タイ国の理科教科書、指導書、教師用テキストの内容の把握・理解に時間をさいた。また、論文及びタイとの連絡用にタイ語ワ-プロ(ソフト)を作成した。日・タイ理科教育比較の一環として、「日・タイ生活科教育比較」という論文を執筆した。 C コンピュ-タ-教育関係: 前回の派遣で同国教員養成大学のマイコンハ-ドウェア-関係者との連携関係は確立した。今年度は私費で訪タイし次年度の指導計画案を作成した。次年度の派遣でさらなる進展をはかる。 D 共同研究関係: 途上国といえども大学の教員には、基礎研究は必要であるとの認識に立ち、派遣大学に研究課題と設備を残してきている。今年度は、支援ソフトのバ-ジョンアップをした。次年度の派遣で、さらなる研究の確立を図る。 次年度は再び派遣されることからタイへの研究指導に重点がおかれるが、まとめの作業も、勢力的に取り組む予定である。
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