研究課題/領域番号 |
63580233
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩合 一男 広島大学, 教育学部, 教授 (40036629)
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研究分担者 |
国岡 高広 広島大学, 教育学部, 助手 (10205106)
那須 俊夫 広島大学, 教育学部, 教授 (90033026)
岩崎 秀樹 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (50116539)
岡田 よし雄 広島大学, 学校教育学部, 教授 (70093739)
石田 忠男 広島大学, 教育学部, 助教授 (90034818)
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キーワード | メタ認知 / メタ概念 / モニター / 自己評価 / 制御 / 問題解決 / 注意 / 情報処理 |
研究概要 |
(1)メタ認知の理論的研究……メタ認知にはいくつかのルーツがあり、そのカテゴリー化も様々である。特に、カテゴリーの境界はあいまいで、形式的なカテゴリー化をすることには困難がともなう。メタ認知の創案者フラベルの分類が最もオーソドックスで、これを若干変形した形で、一般的に使われている。我々の研究は単なる分類では前進しないので、それらの概念規定をする必要があった。そして、メタ認知という概念自体が 「次元性」 「相対性」 をもっているので、どのような次元でメタ認知を考えるかが大切となる。現在、問題解決という総合的領域とのかかわりで、メタ認知の理論的研究を進めているが、スターンバーグのモデルが参考になるし、この面から深めている所である。 (2) 「理解」 と 「問題解決能力」 とのメタ認知のかかわり……この面での先行研究としては、ショーエンフェルドのものが参考になる。我々の研究仮説としては、小学校3〜5年生の段階で、発達のレベルを設けることができるのではないかと考えているし、この段階にメタ認知能力の萌芽がみられるのではないかと考え、プロトコールをとるなどして、現象面から調査を行っているが、まだ裏付けとなる結果は得られていない。また、問題解決での行きづまり現象や観点変更において、メタ認知能力の働きを説明するのに、スターンバーグのモデルによってみた。このモデルは、人工知能のきわめて単純な形式とメタ認知とのかかわりを仮設的に描いたものであるが、その単純さがかえって、メタ認知の作用領域や働き方を分析的に調べるのに役立つことがわかった。 (3)メタ認知能力と数学的表記との関連……認知が表記と深いかかわりをもつのに対し、メタ認知と表記とのかかわりはあまり強くないのではないか、というのが現段階の結論でしる。図的表記は直観や洞察とかかわって、メタ認知とのかかわりが生まれる。
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