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1989 年度 実績報告書

数学教育におけるメタ認知にかかわる認識過程の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63580233
研究機関広島大学

研究代表者

岩合 一男  広島大学, 教育学部, 教授 (40036629)

研究分担者 那須 俊夫  広島大学, 教育学部, 教授 (90033026)
岩崎 秀樹  広島大学, 学校教育学部, 助教授 (50116539)
岡田 よし雄  広島大学, 学校教育学部, 教授 (70093739)
石田 忠男  広島大学, 教育学部, 助教授 (90034818)
キーワードメタ認知 / モニタ- / 制御 / シェマ / 方略 / 信念体系
研究概要

本年度の研究の主な点は次の3点である。
(1)メタ認知についての理論的研究……これについては、昭和61年度から継続的に取組んできたので、かなりの成果を得たと思っている。ただし、研究の過程で気づいた点として、認知心理学的アプロ-チと情報処理的アプロ-チとの境界がやや曖味であったということ、及び、「メタ概念」の研究の必要性である。前者については、ほとんど気にしなくてもよいと思われるが、後者については、より広い観点からの考察を必要とするであろう。
(2)「問題解決」におけるメタ認知能力の役割りと開発の研究……アメリカでのSchoenfeldの研究などに刺激され、本年度の中心的課題として取組んだ。メタ認知能力が問題解決での「推進力」として働くことが明らかになった。また、信念・意識など、これまであまり注目されなかった要素が果たしている役割りの重要性も究明できた。なお、ストラテジ-については、さらに考察をすすめる必要を感じている。
(3)メタ認知能力と数学的表記との関連の研究……表記について、特に認知心理学的な観点から、メタ認知能力との関連を調べようとしたが、メタファ-やレトリックの数学教育場面への影響の研究を調べることに追われ、肝心のメタ認知との関連にまで至らなかった。ただし、レトリック研究のなかでは、モニタ-機構と数学理解とは密接な関連があり、このモニタ-機構が数学的命題間の関係付けや理解に大切な役割りを果たすことなどが明らかになった。
なお、生徒のプロトコルの資料など、未整理のものが多く残されているので、これらの整理は続けたいし、残された課題についてもさらに研究を進めるつもりであるが、本年度で一応の研究が終わることになるので、ひとまず、報告書を作成し、世に問いたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 岩合一男他: "数学的概念の認識過程についての基礎研究(IX)-数学教育におけるメタ認知研究について-" 広島大学教育学部 学部附属共同研究体制 研究紀要. 第15号. 15-22 (1986)

  • [文献書誌] 岩合一男他: "数学的概念の認識過程についての基礎研究(X)-概念的知識と手続き的知識について-" 広島大学教育学部 学部附属共同研究体制 研究報告. 第16号. 31-40 (1987)

  • [文献書誌] 岩合一男他: "数学的概念の認識過程についての基礎研究(XI)-問題解決におけるメタ認知について-" 広島大学教育学部 学部附属共同研究体制 研究報告. 第17号. 23-34 (1989)

  • [文献書誌] (協力者)山口武志: "算数・数学教育におけるメタ認知に関する基礎的研究(III)-シェマの変容におけるメタ認知の役割-" 中国四国教育学会 教育学研究紀要. 35.

  • [文献書誌] (協力者)山口武志: "算数・数学教育におけるメタ認知に関する基礎的研究(IV)-子どもの学習過程におけるメタ認知の役割-" 日本数学教育学会 第22回数学教育論文発表会 論文集. 127-132 (1989)

  • [文献書誌] (協力者)土井克彦: "数学教育におけるレトリックについて(3)-モニタ-機構と視点の問題-" 中国四国教育学会 教育学研究紀要. 35.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2018-02-02  

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