本年度の研究計画に従って実施した研究の概要は次のとおりである。 1.微生物の成長を測定する装置の開発 クラミドモナスを液体培養した濃厚な懸濁液を段階的に薄めて各種既知濃度の微生物懸濁液を造る、各種の太陽電池を購入し、太陽電池の上に懸濁液を入れた100mlの三角コルベンを置き、斜め上方から光を当てて、発生する起電力を次の方法で測定した。 (1)アナログの回路試験器を用いて測定を試みた、ブランクと懸濁液との差があまり大きくないこめ、ブランクの示す起電力と相殺する起電力を乾電池と抵抗を用いて与え、ブランクの値をゼロにした後、試料のものを測定する方法で測定出来ることが分かった。しかし、この回路がやや生徒に理解しにくい嫌いがある。 (2)価格的にはナログと全く同じデジタルの回路試験器を用いて直接測定する方法でも、測定できることが分かった。但し、この場合は前述のことく、ブランクとの差が余り大きくない。 (3)デジタル回路試験器で簡単な増幅器を使うとよいことが分かったが、増幅率のことなどまだ若干問題がある。 (4)ルクスメーターでも測定を試み、測定可能であるが、回路試験器に比べて数倍高値なのと、装置が作りにくいので教材化には劣る。 2.光合成・呼吸測定検容計のテレビカメラを使う一斉実験装置の開発ビデオカメラ及びテレビを購入して、従来高沖が開発してきた7本組の検容計を写しだし、テレビ画面上で測定することを試みた。指標水滴としては、従来の水の代わりに色素液を用いた、色素としては、価格と安全性のために食用色素を使った。この装置を用いて、発芽種子の呼吸速度、光合成速度とCO_2濃度との関係、陽葉と陰葉の光合成比較、などを測定した。新学期で学生実験に応用してみる予定である。
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