研究課題/領域番号 |
63580243
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 主任研究官 (50132692)
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研究分担者 |
渡辺 賢寿 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40092473)
猿田 裕嗣 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (70178820)
三宅 征夫 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50000071)
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キーワード | 原子力教材 / 放射能教材 / 社会の中の科学と技術 / 許容量概念 / 利害の二面性 / 中等理科教育 / 環境・エネルギー教育 / 教材開発 |
研究概要 |
原子力や放射能の教材としての扱い方およびリスク評価について、英国理科教育協会のSATIS(社会の中の科学と技術)プロジェクトおよび米国カリフェルニア大学のCEPUP(みんなのための化学教育プロジェクト)や、STS(科学、技術および社会)の略称で代表されるプロジェクトを取り上げ、検討をまず行った。 授業研究ではその検討結果をふまえ、小グループによる討論をまじえた調査を予備的に中学高校で行い、小グループによる討論および発表形式の授業が本教材において成り立つものと認められた。この討論形式は、英国のSATISプロジェクトにおける方法の一部を取り入れ、それをさらに、わが国の授業形態により適応する形に改めたものであり、生徒の授業への参加の機会を増やし、生徒により深く考えさせるのに適した方法と考えられる。また、学習時間数(授業時間数)についても学級の情況に応じて弾力的に扱えることがわかった。 今回の検討結果およびこれまでの調査結果を考慮に入れて、当初計画していた授業用ビデオ教材の作成をやめ、小グループによる討論と発表を中心とし、また、授業研究においては生徒の発表をオーディオテープにとり、分析の補助とし、学習時間も各学級の情況に応じて1校時から6校時までと弾力的に扱える形式に変更した。これにより、中学および高校6クラスで授業研究を実施し、現在事後調査も含めて授業研究の結果を分析しており、教材の改訂にも資する予定である。なお、今回開発した教材は生徒用教材として刊行した。 また、放射能の測定に関する実験として、木灰やタバコの灰の中のカリウムや、試薬のカリウム化合物中のカリウムの放射能の測定、空気中の放射能の測定などについて検討し、現在高校4校において生徒一人ひとりが実験できるような形式で予備的に実施中である。
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