研究課題/領域番号 |
63601006
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐武 正雄 東北大学, 工学部, 教授 (50005188)
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研究分担者 |
和泉 正哲 東北大学, 工学部, 教授 (10005506)
亀田 弘行 京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
星谷 勝 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (30061518)
土岐 憲三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027229)
伯野 元彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (10016321)
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キーワード | 都市供給施設 / 地中埋設管路 / 液状化 / 震害評価法 / 地震危険度 / 情報ネットワーク / 復旧予測式 / 復旧支援システム |
研究概要 |
都市供給施設の地震対策としては、地震による被害を最小限に止めるために耐震化を計ることの他に、地震後の諸施設の機能を早急に復旧させる方法を検討しておくことが重要である。本研究は、このような観点から、都市供給施設の被災後における機能維持と復旧方法を考慮した最適な耐震対策を提起することを目標とし、これに関するハードおよびソフト両面の研究を行っている。 本年度行ったハード面の研究は、主として、埋設管被害の把握に必要な研究であり、まず、埋設管路に沿う地盤の連続的な変位分布を離散的な強震観測記録より得る方法について検討した。また、液状化による地盤沈下が埋設管に及ぼす力を把握するための実験的研究を行った。さらに、2相系地盤の弾塑性解析により硬軟地盤境界付近における液状化特性を3次元的に調べ、埋設管被害の可能性を検討した。その他、動的な粒状体シミュレーション解析により土石流などによる衝撃力を把握することが可能であることを確かめた。 本年度行ったソフト面の研究としては、被災後の震害の評価、情報伝達、復旧方法に関する検討を行った。まず、震害の評価に関して、フラクタルを用いた管路網の震害評価方法の有用性について検討した。また、複雑な都市管路網の機能評価を、管路網の解析に依らずに、簡易な評価モデルによって行う方法を提案した。つぎに、情報伝達に関して、災害時に予想される情報内容の変容を考慮した情報ネットワークモデルの考え方を提案した。また、都市機能と人間よりなる系の総合的なモデルを設定し、都市部における地震危険度を最小限に抑えるための方法論を検討した。つぎに、復旧方法に関して、ガス供給網を事例として、被害の程度と復旧に要する時間を関連づけるための復旧予測式の提案を行った。また、被災した都市供給施設の復旧手順を決定するために必要な種々の指標の提案とそれらの評価を行い、復旧支援システムの作成に応用した。
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